企業が創造する価値
2021-06-22 09:30:01
企業が未来を創造する知の資産──WICIと価値報告財団の協力について
企業が未来を創造する知の資産
WICIと価値報告財団の新たな協力
国際的に知られるWICI(World Intellectual Capital/Assets Initiative)が、このたび新設された価値報告財団(VRF)との提携を発表しました。この協力関係は、企業が無形資産、すなわちインタンジブルズによって価値をいかに創造しているのか、そしてその透明性を高めることを目的としています。特に、持続可能性に関する企業開示の基準が注目されるこの時期において、WICIはその重要性を強調しています。
サステナビリティへの関心の高まり
最近の動向では、サステナビリティに関連する開示基準が世界中で活発に検討されています。とりわけ、欧州はサステナビリティ報告に関して具体的な基準を整備中であり、これにより企業が持つ資源の投入から生まれるさまざまなアウトカムが、経済や社会全体に与える影響を明らかにすることを求めています。これは、企業が生み出す価値の社会的な側面に目を向ける良い機会です。
一方、英米では企業活動が財務的な価値にどう影響を与えるのかを重視した報告姿勢が広がっています。これらは、WICIがどことで提携する価値報告財団の目指す方向とも深く関連しています。
日本企業の現状と課題
日本に目を向けると、すでに多くの大企業が統合報告を作成している状況で、非財務的な情報の開示についても一定の準備が整いつつあります。しかし、報告のクオリティを向上させるためのさらなる努力が求められています。日本企業は、自らが持つインタンジブルズを見極め、それを基にした価値創造のストーリーをしっかりと伝えていく必要があります。
インタンジブルズとは
インタンジブルズとは、目に見えない資産であり、企業の知識や人材、ブランド価値といった要素を指します。これに対し、建物や設備などの見える資産は「タンジブルズ」と呼ばれています。現在、企業の時価総額とバランスシート上の資本との間に大きな乖離が見られることが多く、その差分が無形資産であるインタンジブルズの価値とも言われています。
WICIとインタンジブルズの専門性
WICIは、2007年に日米欧の有志によって設立され、知的資産を活用した価値創造の開示を進めている組織です。今や、投資家たちは財務情報だけでなく、非財務的な要素やインタンジブルズにも目を向けるようになっています。その中で、人的資本や社会的な信頼関係の重要性は増す一方です。
最近、WICIはサステナビリティに関する詳細な開示基準の重要性を提唱していますが、ルールに過剰に従うあまり、企業の本来の価値創造を忘れてしまうことは懸念されています。最小限の基準に従いつつも、企業の特性や独自の価値創造を伝える自由な表現が必要だとしています。
日本企業に寄せられる期待
日本企業には、インタンジブルズを意識し、自社の強みや特徴を探求することが期待されています。企業全体で統合的に考える思考が重要で、異なる部門が協力し合うことで、より大きな価値を生み出すことができます。この観点からも、魅力的で自由な表現で自社の個性を伝えることが必要です。
WICIが目指すのは、企業自身の成長と共に、社会や環境の持続可能性を実現することであり、その中心にインタンジブルズが存在するのです。今後も、WICIの活動に注目し、各企業がどのように新たな価値創造に取り組むのかを見守っていく必要があります。
会社情報
- 会社名
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一般社団法人WICIジャパン
- 住所
- 東京都千代田区丸の内2-1-1東京都千代田区丸の内2-1-1 明治安田生命ビル11階株式会社ICMG内
- 電話番号
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