北九州市で開催されたセミナー
2023年8月8日、北九州商工会議所にて、AI CROSS株式会社のAIエバンジェリストである菊川裕司が食品業界のAI活用事例に関する講演を行いました。このセミナーは、食品業界が抱える人手不足や食品ロスといった課題に対するAIの実用性を深掘りすることを目的としていました。
菊川氏は、AI導入の成功事例をいくつか紹介し、AIをどのように活用すれば競争力を高められるのかを具体的に解説しました。また、福岡県北九州市内の大学との連携による人材育成の活動についても触れ、地域に根ざした支援の重要性を強調しました。
AI活用の具体的な事例
菊川氏は、自社の提供するノーコードの予測AI「Deep Predictor」を例に挙げ、販売実績データや天候データを活用した発注や在庫管理の最適化について詳しく説明しました。これにより、業務の判断を支える実践的なサポートが実現することが示されたのです。参加者は、AIが業務の現場での活用に向かって、より実践的な技術となりつつあることに驚きを隠せない様子でした。
地域の特性を生かした人材育成
さらには、AI技術を導入するだけでなく、地域社会において持続的にデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるために何が必要か、という視点から菊川氏は思考を巡らせました。その一環として九州栄養福祉大学との産学連携による実践的な教育モデルを紹介し、専門的なデータサイエンティストの育成に力を入れていることが強調されました。この取り組みは、北九州市の地域課題の解決とDXの推進を両立させるための新しいアプローチとして注目されています。
地域経済への貢献
最後に、菊川氏はAI導入支援にとどまらず、地域社会と共に成長するDXのあり方について考えを共有しました。このセミナーは、参加者にとって地元企業や教育機関との連携の可能性を探る良い機会となったようです。
今後の展望
AI CROSS株式会社は、食品業界はもちろんのこと、幅広い業界におけるAIの導入支援を通じて、企業の競争力向上や業界全体の課題解決に寄与していくことを表明しています。特に地域に特化した産学連携や持続可能なDX推進モデルの構築にさらなる注力をしていくとのことです。
北九州商工会議所の役割
北九州商工会議所は、地域経済の振興や中小企業の支援に努めており、セミナーや講演会を通じて中小企業の成長を促進しています。地域と産業の持続的な成長に向けた取り組みが活発に行われています。
菊川裕司氏の経歴
菊川氏は、九州工業大学大学院を卒業後、NTT西日本での設備構築を経て、NTTドコモでは新規事業の立ち上げを担当。その後、AI CROSSにて全社戦略や人材育成を推進する役割を担い、地域に根差したAI技術の普及に尽力しています。
今回の講演は、AI技術の実用性を実感するだけでなく、地域の未来を見据えた人材育成の大切さを再認識する貴重な機会となったことでしょう。