沖縄県の物流業界、正社員求人が高いが待遇に課題も

沖縄県の物流求人市場の実態

X Mile株式会社が運営する求人メディア「クロスワーク」の最新調査により、沖縄の物流業界の求人市場についての詳細な分析が行われ、その実態が浮き彫りになった。正社員の募集率は86.3%と全国平均を上回るものの、給与水準や休日数には改善の余地があることが明らかとなった。

調査背景

沖縄県は、近年、慢性的な人手不足と若年層の県外流出という課題に直面している。この現象は、県の産業の持続可能な発展にとって大きな問題であり、「沖縄県人材確保支援事業」や「おきなわ人財プロジェクト」といった取り組みが進められている。特に物流業界は、観光業や建設業とともに人手不足が深刻で、ドライバーの需要が高まる中でも、その労働環境や待遇の面での課題が求職者の定着を妨げている。

正社員の募集は高水準

調査では、沖縄県のドライバー求人における正社員募集率が86.3%と全国平均の85.1%を上回り、高い水準にあることが確認された。しかし、同時に契約社員の割合は全国の約4.7%に対して沖縄県内での依存度が高く、その傾向は目を引くものである。契約社員の比率が高いことは、短期的な雇用のニーズを反映しているが、長期的な雇用対策としては課題が残る。

給与水準と休日数の問題

沖縄県では、月給「15万～19万」台の求人が22.7%を占めており、全国平均8.5%の2倍以上に達している。これは沖縄県の給与水準が全国平均よりも低いことを示している。一方、年間休日についても、34.5%が「105〜109日以内」と回答しており、全国平均との差が明らかであり、ドライバーの労働環境を考慮すると、労働条件の改善が求められる。

企業の声と採用支援策

地元の物流企業からは「未経験者向けのメンター制度」を導入しているとの声が聞かれる一方で、求人に対しての応募者の反応が薄いとの意見も寄せられた。全国平均では「特に取り組みはなし」との回答が28.1%に達する。企業側の採用支援策が周知されていないことが、さらなる求人の低迷を引き起こしている可能性がある。