鹿児島発、全額返金の新制度実現
近年、農産物に対する消費者のニーズは多様化しています。その中で、鹿児島県姶良市の小規模農園「たけのうち農園」は、革新的な制度「PROJECT KISEKI(軌跡)返金保証」を導入しました。
この制度は、家庭で調理したじゃがいもが煮崩れた際に、たった1枚の写真を提出するだけで全額返金(送料込み)が受けられるというものです。これは日本初の取り組みであり、料理の完成度を保証することで新たな価値基準を生み出そうとしています。
煮崩れ保証の仕組みと基準
対象となるのは、「SAKURAJIMA FUTSUU(梅ブランド)」というブランドのじゃがいもです。家庭料理の基準となるじゃがいもを、1kgあたり1,200円で提供します。煮崩れ時には、返品発送は不要で、農園の理念を反映した「覚意(ガバナンス)」のもと、消費者との信頼を築くことを目指しています。
さらに、「松」「竹」「梅」の三段階のブランド構成を取り入れ、「KISEKI(竹)」では煮崩れ時に半額返金、「JEWEL(松)」は芸術品として特別な位置づけを持ちます。これにより、消費者は店舗での購入時に自分の理想や用途に合った商品を選ぶことができます。
科学に裏打ちされた品質
この制度が成り立つ背景には、じゃがいも品種「ニシユタカ」の特性と、桜島の火山性黒土「小山田テロワール」の優れた条件にあるとされています。
低アミロース構造であり、煮崩れを抑制する力があること、そして火山性ミネラルによって細胞が強化され、水分保持性にも優れていることから、じゃがいもの形状が保持されます。また、アミノ酸代謝が最適化されることで、旨味が形成され、その結果、盛り付けの美しさも保証されるという、科学的な裏付けがあります。
伝統と技術の結晶
さらには、農園で行われる厳格な栽培規律も重要です。例えば、ハサミの使用を完全に排除した手作業の芽かき、雑草緑肥による土壌改良、そして収穫後の適切なキュアリング技術(空調管理室での保管)など、全てのプロセスが「煮崩れしない」機能性を最大限に高めることを目的としています。
日本全国に新たな購買体験を提供
今後の展開として、2026年5月28日より公式LINEで予約受付が開始される「SAKURAJIMA FUTSUU」の他、青山ファーマーズマーケットでも「KISEKI」の販売が予定されています。都市生活者に対し、「料理の再現性を保証する農産物」という全く新しい価値基準を提供し、産地と都市をつなぐ新たな購買体験を提供することを目指しています。
未来への挑戦
近年は天候不順や自然災害による被害が続いており、2025年には豪雨や猛暑、害虫の影響で畑が壊滅的な状態に見舞われましたが、「小山田の土」と「ニシユタカ」が再起のきっかけとなりました。この制度が作られた背景には、生産者自身の強い思いが込められています。
生産者の竹之内憲俊氏は「料理の完成度を保証する制度を作りました。これからも消費者に届く商品作りを続けていきたい」と語っています。
さらに、制度の詳細や最新情報については、公式LINE「たけのうち農園」を通じて優先的に案内されます。日本の産地から新たな価値を持つ農産物が生まれる姿に、ぜひ注目していきたいと思います。