新しいIP管理プラットフォーム『かるれっと』の登場
カルビー株式会社が新たに開発したプラットフォーム『かるれっと』は、同社にとって初めての試みとなるブロックチェーン技術を基盤としています。この取り組みは、クリエイターと企業との関係を強化し、ライセンス業務をより効率的に行えるようにすることを目的としています.
1. プラットフォームの概要
『かるれっと』は「カルビー」と「ウォレット」を組み合わせた名称であり、分散型IDとブロックチェーン技術を使って知的財産の権利を安全に管理するためのツールです。これにより、二次創作関連のクリエイターは自分の作品を簡単にライセンス展開し、迅速に契約を結ぶことができます。また、すべての取引の履歴を検証可能な形式で記録するため、信頼性も向上しています。
2. 背景にあるニーズ
カルビーは近年、自社のキャラクターや商品を利用したライセンス商品の市場を拡大してきました。特に、食を超えたカルビーブランドの楽しみ方を提供するべく、グッズやゲームアイテム、さらにはNFTなども手掛けるようになりました。その結果、ライセンス商品は前年に比べ約80%の増加を見せています。しかし、クリエイターとの連携を強化するためには、与信管理や契約のプロセスをより円滑に行う必要がありました。
3. 実証実験の開始
『かるれっと』を使用したIP事業に関しては、2025年4月17日から実証実験が開始される予定です。この実証実験においては、先行して行われた「じゃがりこドリーム2nd」のグッズデザインコンテストで入賞した8名のクリエイターと契約し、彼らのデザインを使用した商品の企画を進めることになります。この取り組みによって、カルビーはクリエイターの作品をより多くの消費者に届けることができるようになります。
4. より多彩な展開の可能性
さらに、カルビーは『かるれっと』を通じて新たな音楽レーベルの創設や、クリエイターをターゲットにしたコンテストを行う計画も考えています。これにより、お客様はカルビーの商品をより身近に感じることができ、クリエイターたちにとっては新たな挑戦の場が提供されることになります。カルビーのブランド力がさらに強化されることで、今後の市場展開や製品開発にも大きな影響を与えることでしょう。
5. 未来を見据えた取り組み
カルビーの新規事業部門である「Calbee Future Labo」は、2030年までに1000万人の顧客に楽しんでもらうことを目指しています。このプラットフォームの開発は、そのビジョンに向けた重要な一歩であるといえます。中核となるのは、日常生活の中でカルビーとの接点を増やすことであり、そのためにはクリエイティブな活動を促進する新しい仕組みが必要です。
まとめ
『かるれっと』は、従来のライセンス業務を再定義する試みであり、企業、クリエイター、お客様の三者がより良い関係を築けるような展望を描いています。この新しいプラットフォームがどのように発展し、業界全体に影響を与えるのか、今後の動向から目が離せません。