日本初!手術支援ロボット「ダビンチ」で腎移植手術
2025年8月26日、神奈川県鎌倉市の湘南鎌倉総合病院で、日本初となる手術支援ロボット「ダビンチ」を用いた同種腎移植手術が実施されました。この画期的な手術は、腎臓病総合医療センターの専任チームによって行われ、ロボットの卓越した精度と三次元視覚による清晰な視野を活かし、従来の腎移植手術と比較して身体的な負担を大幅に軽減しました。
手術の概要
今回の手術は、田邉一成医師(院長補佐、泌尿器科統括部長兼腎移植・ロボット手術センター長)の指導のもと行われ、手術時間は4時間29分、出血量はわずか100ミリリットルで、術中トラブルもなく順調に進行しました。通常の開腹手術に比べて切開が小さく、出血が少ないこの手法は、患者様の早期回復と合併症リスクの低減が期待されます。
手術後の経過は良好で、患者様は早期退院に向けた回復を見込んでいます。腎移植は慢性腎不全や末期腎不全の効果的な治療法ですが、これまでの技術では身体的な負担や回復にかかる時間が課題とされてきました。ロボット支援手術の導入により、治療の選択肢が広がることが見込まれます。
「ダビンチ」での新時代
湘南鎌倉総合病院では、2025年7月に最新モデル「ダビンチ5」を導入して以来、消化器外科や呼吸器外科といった分野で積極的にロボット支援手術を行っていますが、同種腎移植に特化した試みは国内初とのことで、医療現場の革新を象徴する出来事となりました。
田邉医師は手術後、約2年間にわたる準備期間を経て初めての手術が行われたことに感慨深さを示しました。倫理委員会への申請や特定臨床研究としての手続きに多くの時間を要しましたが、これを乗り越え、無事に手術を成功させたことは大きな成果です。
今後の展望
湘南鎌倉総合病院は、今後も腎移植を含む泌尿器科領域でのロボット支援手術を拡大し、臨床研究を通じて日本の移植医療の発展に寄与することを目指しています。患者様にとって、より安全で効果的な治療が受けられる未来を築くため、多くの症例を積み重ね、データを蓄積していく方針です。
しかし、手術支援ロボットの導入とその効果の検証には、医療従事者の技術向上や患者への理解促進も必要不可欠です。こうした課題に向き合いながら、腎不全患者様にとっての新たな選択肢となることを目指し、挑戦を続けることが重要です。
このたびの手術は、日本の医療界に革新をもたらす可能性を秘めており、今後の医療技術の発展に大きな期待が寄せられています。これからも医療機関は地域と共に歩みながら、未来の治療される希望を提供し続けていきます。