地域と共に育む未来
2017-08-21 18:27:43
地域と共に育む子どもの未来—コミュニティ・スクールの新たな可能性
地域教育の重要性
最近行われたシンポジウムでは、コミュニティ・スクールが地域社会との強い結びつきを持つことで、子どもたちの潜在能力を引き出す効果についての研究結果が発表されました。特に、地域との連携によって育まれる「自己肯定感」や「地域への愛着」が子どもたちの成長にどのように寄与するかが注目されています。
当日の発表では「こどもと地域調査」に基づいたデータも紹介され、学校と地域が密接に関わることで、子どもたちの「ことばの力」が約10ポイント向上するなど、様々な学力向上につながることが明らかになりました。また、コミュニティ・スクールに通う子どもたちの保護者は、地域との関わりを非常に大切にしており、その数値は他に比べ約13ポイントも高いという結果も出ています。これにより、地域とのつながりが子どもたちにどれほど大きな影響を与えているのかが分かります。
嶋野氏の視点
また、シンポジウムには教育の専門家、嶋野氏も登壇し、子どもの「実体」と「実態」という概念について詳しく解説しました。彼は、子どもが主体性を持たないのではなく、主体性を発揮する場がないのではないかという観点から、私たちの理解を深めることが必要だと述べました。この視点は、地域と関わる教育の重要性を再確認させてくれるものでした。
実践授業の取り組み
さらに、地域と連携した教育の実践例として、静岡市立清水江尻小学校5年2組の取り組みが紹介されました。担任の教師の意識が変わり、児童たちが授業を主導する姿勢に転換することで、彼らの中に眠っていた力が引き出され、結果として地域の雰囲気までも変わっていったという報告がありました。
次のステップへ
このシンポジウムでの発表を受け、次回の実践授業の対象校には横浜市立大岡小学校が選ばれました。本プロジェクトでは、児童たちが蜜蜂の育成といった活動に取り組むことで、地域活性化の一環として環境や交流を深めることを目指します。地域社会と教育機関が協力することで、より良い未来を形作っていくことの重要性が強調されています。
このように、コミュニティ・スクールが地域とどのように連携し、子どもたちの成長を促すかは、今後の教育の在り方を考える上で欠かせない視点となるでしょう。それぞれの地域に特有の文化や価値観を学ぶことが、子どもたちの視野を広げ、豊かな人間性を育む鍵なのです。教育が地域社会と結びつくことで、さらなる相乗効果がもたらされることを期待したいです。
会社情報
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公益財団法人 博報児童教育振興会
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