羽田空港での新たな試み:香りで環境改善
東京都渋谷区のTOMOKO SAITO AROMATIQUE STUDIOは、羽田空港第2ターミナルの保安検査場で行われる環境向上実験に取り組むことが決定しました。この実験は、日本空港ビルデング株式会社の「terminal.0 HANEDA」プロジェクトの一環であり、2026年4月1日から6月30日までの約3ヶ月間にわたって実施されます。
このプロジェクトの主な目的は、保安検査場での旅客や検査員の心理的負担を軽減し、より快適な空間を提供することです。保安検査場は、混雑や待ち時間、検査の緊張感によってストレスがかかる場所であるため、五感に訴える演出が求められています。そこで、天然精油による香りの力を活用し、旅客の心の平穏をもたらすことが期待されています。
嗅覚の役割と香りの設計
嗅覚は感情や記憶に強く影響を及ぼす感覚として知られています。この特徴を生かすために、TOMOKO SAITO AROMATIQUE STUDIOでは、空港にふさわしい香りを設計しました。香りは強い印象を与えるものでなく、利用者が通過する際に深呼吸をもたらし、心を安らげるような繊細なものであることが求められています。
今回の実験で採用した香りは、ヒノキやスギ、マツなどの日本の木々をベースに、柑橘類を繊細にブレンドしたものです。この香りは空間全体のデザインに調和し、無機質になりがちな検査場に自然の柔らかさをもたらすことを目指しています。
新技術の導入
この実証には、パートナー企業と共に開発した「アロマ拡散シミュレーター」を導入します。この技術により、空港という広大な環境の中で香りがどのように拡散し、適切な濃度を保つかを検証します。科学的な視点から香りを可視化し、公共空間における快適性を追求することが重要です。これにより、香りの快適さを社会インフラの一部として実装する新しい価値を提案できます。
環境整備とサステナビリティ
羽田空港の実証プロジェクトでは、視覚、聴覚、嗅覚、触覚のすべてに配慮した環境演出が予定されています。例えば、落ち着いた照明やノイズ低減を意識した環境設計が導入されます。また、旅客だけでなく、検査員の作業環境にも昇降デスクや作業チェア、タスク照明などが整えられ、快適に業務を行えるスペースが提供されます。
この実証は、ただの香りによる演出を超え、公共空間の快適性と安全性、持続可能性を両立させる取り組みです。TOMOKO SAITO AROMATIQUE STUDIOでは、利用者に心地よさを提供するだけではなく、未来の空港体験に新たな価値をもたらすことに意欲を燃やしています。実証実験の結果がどのように反映されるか、羽田空港のこれからが楽しみです。
参加企業とその役割
このプロジェクトには、TOMOKO SAITO AROMATIQUE STUDIOの他に、株式会社スーパーメイト、DAIKEN株式会社、株式会社丹青社、TOA株式会社、株式会社オカムラなどが参加しています。それぞれの企業が持つ専門性が生かされ、空港環境の高次化に寄与していくでしょう。この協力体制が、どのような結果につながるのか、今後が期待されます。