コーピーが「第11回JR東日本スタートアッププログラム」で優秀賞を受賞
東京都千代田区に拠点を構えるAIスタートアップ、株式会社コーピーが、2025年5月27日に開催された「第11回JR東日本スタートアッププログラムDEMODAY」で優秀賞に輝きました。このプログラムは、革新的な技術やサービスを持つスタートアップとJR東日本グループとの共同で行うオープンイノベーションの取り組みで、コーピーはその一環で「カメラ画像を用いたAI解析による早期故障発見」という先進的な提案を行いました。
鉄道インフラにおけるAIの必要性
鉄道インフラでは、安全の確保が最優先され、多くのメンテナンス業務が日々行われています。特に重要な役割を果たすのがパンタグラフであり、これは列車が架線から電力を取り込むための装置です。パンタグラフに異常が発生すると列車運行に重大な影響を及ぼすため、定期的な点検が不可欠です。しかし、目視検査や画像確認には時間と人的リソースが非常にかかり、迅速な異常検知がなかなか難しいという課題があります。
実証実験の内容
このような背景の中、コーピーはパンタグラフの監視カメラが捉えた画像をAI解析することで、異常検知の効率化を図る実証実験を実施しています。特に、コーピーの持つXAI(説明可能AI)およびQAAI(AI向け品質検証)技術を駆使して、屋外環境においても頑健なAIシステムの開発を目指しています。これによって、従来の人手による画像確認の手間を大幅に削減し、より早期に異常を検出することが可能になることを期待しています。
「優秀賞」受賞の意義
コーピーの優秀賞受賞は、同社が推進するAI技術の有効性が広く評価された証です。受賞を受けて、同社はパンタグラフの分野にとどまらず、他の設備や車両、運行管理、保守作業においてもAIの活用を進め、安全性と効率性の向上を目指す意向を示しています。
■受賞時のコメント
コーピーの伊藤敦子常務取締役は、受賞について「カメラ画像を活用したAI解析は、客観的で効率的なメンテナンスを推進するものであり、企業としても極めて有意義です。共に未来を見据えた技術の発展を目指していきたい」とコメントしています。彼女の話した内容からも、コーピーの技術がいかに事業運営やお客様にとって重要か、また鉄道業界においてのその意義を改めて認識させられます。
コーピーについて
株式会社コーピーは、東京大学とフランス国立情報学自動制御研究所(Inria)の共同で設立されたスタートアップです。ミッションクリティカルな領域でのAI導入を目指し、「先端AI技術で人命を救い、平等を拡張する」というミッションのもと、品質保証や説明可能性向上に向けた技術開発を推進しています。この取り組みを通じて、社会実装を加速し、より安全な未来を実現するために邁進しているのです。
今後のコーピーの活動に注目が集まります。