第3巻の魅力を解説!
第171回直木賞にノミネートされた話題作『あいにくあんたのためじゃない』のコミカライズ第3巻が、2025年1月8日(水)に発売されます。この作品は、人生の困難を抱える主人公たちが自らを取り戻す姿を描いた全6編からなる短編集のコミカライズです。
原作を手掛けたのは、著名作家の柚木麻子氏。彼女は、デビュー作「フォーゲットミー、ノットブルー」で権威あるオール讀物新人賞を受賞し、その後も数々の賞に輝く実力派作家です。そして、コミカライズを担当するのは、イラストの巧みな表現力で注目を集めた新鋭のもりとおる氏。彼の柔らかな描写が、原作の奥行きのある人間模様を見事にビジュアル化しています。
ストーリーの舞台
この作品は、伝染病の影響で集合住宅パティオ6に住む住人たちが、在宅勤務や子育てといったストレスに直面するところから始まります。子どもたちにとって唯一の遊び場である中庭が、一人の住人からのクレームによって使用禁止となり、彼らは奪われた自由を取り戻すために立ち上がります。これは、社会的制限や逆境の中での連帯の重要性を描き出すストーリーでもあります。
見どころ
第3巻には、“奪われた平和を取り戻すために仕事を乗っ取ろうとする女性たち”を描いた「パティオ8」が収録されています。彼女たちがどのようにして団結し、逆境に立ち向かうのか、その過程が巧みに描かれています。特に、もりとおる氏の人物描写は秀逸で、日々の小さな苦しみを抱えながらも懸命に生きる人々の姿をリアルに表現しています。
リモート会議の最中に子どもが乱入するという、現代社会ならではのエピソードがSNSで話題を呼び、2000万回以上の表示回数を記録したことからも、その影響力の大きさが分かります。今作は、単なるエンターテインメントにとどまらず、現実世界の多様な感情や葛藤をも反映しています。
著者の想い
原作者の柚木麻子氏は、作品の世界観を見事に再現してくれたもりとおる氏に感謝の意を表しています。一方、もりとおる氏は、彼自身の日々の感情や思いを絵を通じて伝えたいという強い意志を込めて、本作を手掛けています。
この魅力的な作品は、人生のいかなる逆境にも希望を持ち続けることの大切さを教えてくれます。ぜひ、2025年1月8日発売の第3巻を手に取り、刺激的なストーリーを体験してみてください!