保育士の働き方実態調査から見える魅力と課題とは？

日本生命保険相互会社は「保育士の働き方実態大規模調査」を実施し、その結果を発表しました。この調査は、保育士の仕事の現状や課題を明らかにする目的で行われ、全国から指定された人数の保育士や一般社員のデータが収集されました。データは主に、現役保育士1,521名、一般社員516名を対象にしたもので、調査期間は2025年6月13日から18日までです。

調査の背景

「保育イノベーションコンソーシアム」は、子育ての壁をなくすために有志が集まって設立された団体で、この調査を通じて保育士の実態を知り、その結果に基づいて活動を進めることを目指しています。調査では、保育士が感じるやりがいや魅力が明らかになった一方で、労働環境の厳しさも浮き彫りになりました。

魅力的な保育士の仕事

調査結果によると、現役保育士のうち3割以上が、幼少期からの憧れの職業であると回答しています。また、他の項目でも、自己成長や社会貢献を実感しているというポジティブな結果が出ています。特に、現役保育士の66.2%が仕事を通じて成長を感じていると回答しており、保育士は自分の強みや経験をしっかり生かしながら働いていることがわかります。

さらに、仕事と私生活のバランスが取れていると感じる保育士が多いため、仕事への満足感が高いことも調査から確認されました。辞めたいと思ったことがない理由には、「職場の人間関係が良好」であることや、「充実感を感じているから」などが挙げられています。このような魅力は、保育士の仕事が社会において重要な役割を果たしていることを示しています。

課題となっている労働環境

一方で、調査の結果、51.5%の保育士が過去に辞めたいと思った経験があると回答し、その主な理由は「給料が低い」「人手不足で忙しい」といったものでした。このデータは、業務負担が複数の側面にわたって影響を及ぼしていることを示しています。特に肉体的、精神的な疲労感が強く、保育士の持続的な働き方を圧迫する要因となっています。

保育業界の今後の展望

当コンソーシアムでは、調査結果を基に、環境づくりや保育士の魅力向上のための取り組みを検討していく予定です。デジタル化による効率化や心理的ケアの導入など、多角的なアプローチが必要とされています。保育士がゆとりを持って子どもに向き合えるための環境整備が急務です。

保育士の使命感ややりがいを保ったまま、持続可能な働き方が実現できるようにサポートしていくことが重要です。そして、将来を担う子どもたちのために、より良い保育環境を築いていくことが、社会全体の課題解決につながります。

この調査を受けて、今後の保育界がどのように変化していくのか、期待が高まります。各法人ともに連携し、保育士の魅力を引き上げ、持続可能な社会をつくるための取り組みを進めていくことでしょう。