月面探査車YAOKIとパンチ工業の新たなパートナー契約
パンチ工業株式会社は、ロボットおよび宇宙技術開発を行う株式会社ダイモンとの技術パートナー契約を更新することを発表しました。この契約の更新は2026年5月からの開始となり、月面探査車YAOKIのさらなる開発と月面探査プロジェクトの推進に寄与することを目指しています。
ダイモンとの初の契約は2023年に締結され、その結果2025年にはプロジェクトYAOKI 1(PY-1)が実施されました。この月面探査計画では、日本の民間企業として初めて月面で稼働した探査車YAOKIの開発にパンチ工業が3D計測サービスを提供し大きな役割を果たしました。
契約の内容と新たな取り組み
今回の契約更新では、3D測定を用いたロケットの打ち上げから月面着陸に至るデプロイヤー(YAOKI輸送ケース)及びYAOKI本体の衝撃振動吸収に関するデータ提供が引き続き行われます。また、YAOKIに搭載する金属部品や熱可塑性樹脂部品の開発・加工を行う項目が新たに追加され、月面環境を模した極高真空・微粒砂の中で行う実験にも共同で取り組むことが予定されています。これにより、パンチ工業の技術的な貢献がさらに拡大します。
Project YAOKIについて
Project YAOKIはダイモンが手掛ける月面探査計画であり、YAOKIはデータを取得しながら、月面の走行や資源確保、人類の活動拠点構築に向けた重要な役割を担っています。YAOKIは約500グラムの軽量設計で、過酷な月面環境を乗り越えるための高い強度を誇るロボットです。月面への輸送にかかるコストが1kgあたり1億円とされる中、この高性能コンパクトロボットの開発は宇宙開発において重要な意義を持っています。
初回の打ち上げは2025年に行われましたが、着陸船との予期せぬ問題からYAOKIは直接月面に放出されることはありませんでした。しかし、その中でデータ撮影に成功し、全機能の動作を地上からオペレーションすることができました。
PY-1での技術貢献とPY-2への専念
PY-1プロジェクトでは、YAOKIとデプロイヤー間のクリアランスを3D計測で測定し、最適な弾性材の厚さを導き出すことで輸送時の振動による故障リスクを軽減しました。これに続くPY-2では、新たにYAOKIの車輪本体や駆動モーターに関する部品の開発に貢献し、軽量化や月面探査に必要な機能の追加を目的とした研究協力も行う予定です。
パンチ工業の航空宇宙産業への取組
パンチ工業は2016年から航空宇宙産業への参入を目指し、技術の開発と実績向上に力を入れています。Project YAOKIを通じて、精密金属加工技術が航空宇宙産業に貢献し続けています。さらに、同社独自の金属接合技術を活用した発展的契約も締結しており、その技術は地上での事業にも活用されることを目指しています。
ダイモンとのパートナーシップを通じ、月面探査プロジェクトの成功と宇宙産業の発展に向け、引き続き努力を続けるパンチ工業の今後に期待が寄せられています。
株式会社ダイモンの基本情報
株式会社ダイモンは2012年設立のロボット及び宇宙技術開発ベンチャーです。月面探査事業を中心に、地上ロボット事業や教育エンタメ分野にも力を入れています。成功を収めるために、パンチ工業と共に新な可能性を探求し続けています。
パンチ工業が示す精密な金属加工技術は、未来の航空宇宙産業を支える鍵となることでしょう。今後もその技術の進化に期待がかかります。