次世代AI技術「エッジVLM」で介護業界が変わる！新たな試みの実施へ

介護業界における新たな挑戦

HITOWAケアサービス株式会社とVieureka株式会社が、介護業界に特化した実証実験を行うことを発表しました。この実験では次世代AI技術「エッジVLM（Vision-Language Model）」を活用し、ケアの質や生産性の向上を目指します。今回はこの取り組みの目的、方法、そして将来の展望について詳しく見ていきましょう。

背景：高齢社会がもたらすジレンマ

日本は超高齢社会に突入し、介護の質を維持しつつも人材不足や社会保障費の増大といった課題に直面しています。特に、限られた人員で多様なニーズに応えることが求められる中で、入居者一人ひとりに寄り添ったケアを提供することがますます重要となっています。こうした課題を解決するために、AI技術の導入が期待されています。

「エッジVLM」とは何か

「エッジVLM」は、従来のAIカメラの限界を超えた技術です。これまでのカメラは「人がいる」「動いている」といった簡単な情報しか捉えられませんでしたが、VLMは例えば「入居者がベッドから立ち上がろうとしている」と詳しく状況を理解・記述できます。この技術は、プライバシーに配慮した運用が可能なため、介護現場でも安心して使用できるでしょう。

実証実験の目的と内容

今回の実証実験では、汎用エッジVLMの特性評価と介護特化型モデルの構築に向けた課題の抽出を行います。この実験は、HITOWAケアサービスが運営する有料老人ホーム2施設で実施され、データ取得は3日間にわたります。具体的には、介助シーンや日常生活動作（ADL）評価を行い、AIが介護特有の複雑な状況を理解する力を強化することが目指されています。

目指すべき未来

この実証実験を皮切りに、介護の質や業務効率の向上を図る取り組みが進む予定です。さらに、将来的にはこの技術をアジアや欧州の高齢化が進む国々に展開する計画も視野に入れているとのこと。地域に根ざしたケアを提供するために、介護業界に特化したAIモデルの構築を目指しています。

企業の概要

HITOWAケアサービスは、東京都港区に本社を置き、有料老人ホームの運営を行っている企業です。2006年に設立され、資本金は5,000万円。代表取締役社長は須原清貴氏です。

一方、Vieurekaは大阪市中央区に本社を構える企業で、2022年に設立され、資本金は1億円です。IoT機器とソフトウェアに関するプラットフォーム事業やサービス事業を展開しています。代表取締役社長は宮﨑秋弘氏です。