アサヒ飲料、明石工場に新製造ラインを導入
アサヒ飲料株式会社は、2024年12月に明石工場に新しい製造ライン『次世代SMART・ライン』を稼働させることを発表しました。このプロジェクトには約85億円の設備投資が行われ、業界初となる無菌充填とラベリング工程の連結が含まれています。これにより、従来の製造能力を約20%向上させる見込みです。
新しい製造ラインの特長
新設される『次世代SMART・ライン』は、澁谷工業株式会社や株式会社フジシールとの共同開発により実現しました。これまでは個別に行われていた充填とラベリングの工程を統合し、全体の生産効率を改善しています。この新ラインは、既存の製造ラインに比べ、約60%の少人数で運営可能で、面積も約20%縮小されます。
さらに、製造工程で使用されるコンベヤーのサイズを縮小することにより、ボトル搬送に必要な電力も約40%削減される見込みです。これにより、容器の軽量化も進められ、持続可能な包装の実現に向けた「容器包装 2030」の目標が強化されます。
生産性向上と環境への配慮
製造現場では、廃棄物の自動搬送や管理業務のペーパーレス化、さらにデジタル技術を活用した品質保証能力の向上にも取り組む予定です。これにより、従業員の生産性も向上し、効率的な製造プロセスが実現するでしょう。
明石工場は年間約4,700万箱の商品を製造しており、その中にはPETボトル商品、瓶、および缶商品が含まれています。これまで、西日本地域へのPETボトル商品の流通の3割は東日本の工場から転送されていましたが、新ライン設置により『カルピスウォーター』1.5Lも製造可能となり、物流の効率化やCO2排出量の削減が期待されます。
未来の価値創造を目指して
アサヒ飲料は、この新しい製造ラインの導入を通し、工程管理や品質保証の向上、生産効率の改善、環境負荷の低減をさらに推進します。業界をリードする技術の導入により、製造部門における新しい価値の創造を目指しています。明石工場の今後の展開に注目が集まります。