全国学力調査のCBT化に向けた新たな取り組みと課題とは
全国学力調査のCBT化に向けた新たな取り組みと課題とは
令和6年7月8日に行われた全国的な学力調査に関する専門家会議では、今後の全国学力・学習状況調査のCBT(コンピュータベーステスト)化の進め方について熱い議論が交わされました。この会議は、文部科学省によって主催され、Web会議形式で実施されました。YouTubeでも配信が行われ、多くの関心を集めました。
主な議題と出席者の意見
議題の中心は、令和7年度以降の全国学力・学習状況調査のCBT化の方向性についてでした。ここでは、これまでの実施において見えてきた問題点や改善点について詳しく議論されました。出席したのは、専門家や教育関係者で構成された委員たちです。
委員からは、特に令和5年度の英語「話すこと」の調査においての問題点について指摘がありました。具体的には、ネットワーク負荷により調査が円滑に進まなかったという意見が出されました。しかし、事務局の説明によれば、昨年の調査では分散日程を取り入れることで、当日トラブルがなく実施されたとのこと。さらに、今年度はオンラインでの児童生徒質問調査を実施し、技術的な問題が発生しなかったことが強調されました。
課題として浮かび上がった点
ただ、委員たちからは依然として学校現場での環境整備が課題であるという声もありました。CBT化に向けた取り組みが進む中、ネットワーク環境の不十分な地域ではどう対応するかが焦点となっています。
事務局はこの課題に対し、初等中等教育局と連携し、ネットワーク環境の整備に努めていく方針を示しました。また、CBT化の実証事業においては、様々な環境での実施を行い、その結果を分析して改善に向けた方策を講じることが重要だとされています。
学校現場での準備とサポート
サンプル問題に関しても重要な議論がありました。各学校でCBTに対応するための環境整備が進められる中、具体的には問題をMEXCBTで全国に配信し、操作感を学んでもらうことが検討されています。これにより、児童生徒が試験に臨む際の不安を解消し、実施体制を整えることが期待されています。
さらに、現場での操作慣れを促進するために、サンプル動画の活用が提案されました。これにより、子どもたちがスムーズに問題解決できるよう、具体的な練習の機会を提供することが目指されます。教育委員会向けの説明会も秋頃に計画されており、関係者への情報提供を強化していく意向が示されました。
今後の展望
全国学力調査のCBT化は、教育現場におけるデジタル化や教育の質向上に向けた重要な一歩となります。会議での意見交換を通じて明らかになった課題を克服し、円滑な実施に向けた取り組みが進められることで、より公平で効果的な学力調査が実現されることに期待が寄せられています。
参加した委員たちが抱えた懸念に対し、事務局は誠実に耳を傾け、改善策について共に考えていく姿勢が求められています。今後は、学力調査が教育の質を向上させる手段として、どのように進化していくのか、その動向に注目していきたいと思います。