東京コスモス電機の株主提案
2024-05-22 17:10:10

東京コスモス電機、株主提案でESG投資ファンドと対立―高配当と株主との対話促進を求める提案

東京コスモス電機、ESG投資ファンドからの株主提案で揺れる



東京コスモス電機株式会社(以下、TOCOS)が、ESG投資ファンドからの株主提案に直面し、大きな注目を集めています。

提案を行ったのは、シンガポール拠点の投資運用会社Swiss-Asia Financial Services Pte Ltdが運営するGlobal ESG Strategy(GES)。GESはTOCOSの株式を議決権ベースで約16%保有する大株主であり、TOCOSの企業価値向上のため、3つの株主提案を2024年6月開催予定の定時株主総会に提出しました。

提案内容:高配当と株主との積極的な対話



GESの提案の中心は、TOCOSの内部留保の有効活用と株主とのコミュニケーション改善です。

1. 高配当の導入: TOCOSは近年、業績を伸ばし、多額の内部留保を蓄積しています。GESは、この内部留保を株主還元として活用すべきだと主張。具体的には、2023年度の1株あたり配当金を571円とすることを提案しています。これは、当時の会社見通しに基づけば配当性向100%に相当する額でした。また、2024年から2026年度にかけても、配当性向100%またはDOE(株主資本配当率)10%の高い方を維持するよう求めています。

2. 株主との対話促進: GESは、TOCOSの経営陣との対話が不十分だと指摘。取締役との個別面談を積極的に行うよう定款に明記することを求める提案も行っています。これは、大株主だけでなく、小口株主の声も経営に反映させるための重要な施策だとGESは訴えています。

TOCOSの現状とGESの主張



TOCOSは、可変抵抗器と車載用電装品の2事業を展開し、特に車載用電装品事業の伸長が業績向上に大きく貢献しています。しかし、GESは、業績好調にもかかわらず、過剰な資金の留保がTOCOSの株価評価を低く抑えていると指摘。同業他社と比較して、TOCOSの株価が割安である点を根拠に、高配当による株価上昇の可能性を強調しています。

また、GESは、TOCOSの経営陣との対話において、十分な協調が得られていないと不満を表明。より建設的な対話を通じて、経営の透明性を高め、企業価値を向上させたいという姿勢を示しています。

提案の行方と今後の展望



GESの株主提案は、TOCOSのコーポレートガバナンスのあり方や、株主還元に対する姿勢を問うものです。この提案が株主総会で承認されるかどうかは、TOCOSの今後の経営戦略に大きな影響を与える可能性があります。

GESの主張は、企業価値の最大化を目指す投資家の視点からの提言として、今後の企業経営のあり方について議論を深める上で重要な示唆を与えると考えられます。TOCOSがどのように対応し、株主との関係を構築していくのか、今後の展開に注目が集まります。

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本記事は公開情報に基づいて作成されており、投資助言を意図したものではありません。投資に関する決定は、ご自身の責任において行ってください。

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会社名
Global ESG Strategy
住所
190 エルギンアベニュー、ジョージ・タウン、グランド・ケイマン KY1-9008、ケイマン諸島
電話番号

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