山梨県の柚子を使用したスイーツ講習会の内容とは?
山梨県富士川町で産出される柚子を中心にしたスイーツスキルアップ講習会が、昨年1月19日に山梨県立博物館内の「Museum café Sweets lab 葡萄屋kofu」にて開催されました。本講座は、同県の観光消費額の向上を目的としており、県産果実を利用したスイーツの提供数や場所を増やすことを目指しています。これまでに数回行われてきたこの講習会には、約10名のパティシエや製菓関係者が参加し、プロの技術や素材に関する深い知識を身につけました。
1. イントロダクション
講師の一人である株式会社プロヴィンチアの代表取締役である古屋浩氏は、富士川町の柚子の素晴らしさに触れ、今回の講習会の目的や背景について説明しました。また、金子博文グランシェフとの協力により、柚子や柑橘類に関する知見を深めるために、専門家を招いて講義を行うことが決定されたことを述べました。
2. ユズの起源についての講義
次に、京都大学名誉教授の北島宣氏が柚子の歴史や起源について講義を行いました。柚子は日本国内へさまざまなルートを通じて伝わったことが説明され、特に山梨県との深い結びつきも語られました。北島氏は、山梨が関わる「富嶽三十六景」の葛飾北斎が柚子を治療に使用したことや、地域の寺との関連性についても触れ、富士川町のユズの歴史的な背景を深く理解させました。
3. 高知県の柚子文化
また、合同会社EKRの百田美知氏が高知県の柚子文化について講演しました。高知県での柚子の利用法や生産量の多さについての具体例も紹介され、参加者はその食文化を学ぶ場面もありました。特に「ゆのす」などの調味料が家庭でどのように使われているかが興味深く、食材への思いが伝わってきました。
4. 実際のデモンストレーション
金子グランシェフは、スイーツのデモンストレーションを実施し、柚子を使用した「柚子のアシェット」の作成過程を見せてくれました。その魅力的なプレゼンテーションは、参加者に「スイーツは作り手の想いを反映させるもの」といったメッセージを強く印象付けました。参加者は、柚子を使用した様々なクリームやソースの作り方を学び、アシェットを試食することでその味わいも体験しました。
5. パンの試食
続いて、法政大学の森田政士氏が「柚子を使用したパン・ド・カンパーニュ」の試食を提供しました。山梨産の小麦や地元の水を利用したパンには、特製の柚子クリームが添えられ、参加者はその絶妙な組み合わせを楽しみました。これにより、山梨県が持つ食材の宝庫としての特性も再確認されました。
6. 若手パティシエの取り組み
講習会の最後には、若手パティシエによる新しい取り組みも紹介されました。山梨県産の柚子を使ったビスコッティの試食が行われ、作品には参加者の個性や情熱が表れていました。発表の際、ブランド名「焼き菓子Pinna」の由来も語られ、参加者たちに共に楽しむ時間を提供する想いが込められていました。
7. 参加者の感想
参加者からは「柚子の扱い方に対する不安が解消できた」「貴重な経験で、どこにもない講義だった」との感想が寄せられました。また、柚子の歴史や地域に根付いた素材の大切さを実感し、講習会の内容に満足する声が多く聞かれました。
今回の講習会は、参加者との距離も近くアットホームな雰囲気で進行され、質問もしやすい環境が印象的でした。今後は、イチゴやレモンをテーマにした追加の講習会も計画されていますので、興味のある方はぜひ参加をご検討ください。
今後の開催予定やこれまでの実績については、山梨県公式ホームページもご覧ください。
山梨県公式ホームページ