国内初の水素航空機けん引車、羽田空港での運用が始まる

国内初の水素航空機けん引車の運用開始

日本航空株式会社とそのパートナーであるJALUX、JALエアテックは、国内で初めて水素燃料を使用する航空機けん引車の試験運用を、羽田空港で開始しました。この試みは、東京都の「空港等におけるFCモビリティ早期実装化支援事業」に認定され、持続可能なモビリティの推進に向けた重要なステップとして位置づけられています。

異なる企業が協力する新しい試み

このプロジェクトは、昨年からJAL、JALUX、JALエアテック、そして株式会社タジマモーターコーポレーションの4社で協力しながら進められています。改造された航空機けん引車は、CO2を排出せずに運行できることを目指し、羽田空港内での運用を行い、空港の脱炭素化を促進することが狙いです。実施にあたり、JALUXは事業の実施者として、タジマモーターが車両の開発と改造を担当します。

試験運用の詳細

試験運用は、2025年8月から12月までの予定で、羽田空港内で行われます。具体的には、27年間使用されてきた従来の航空機けん引車を基に、水素燃料電池車両への改造が行われ、最大70キロメートルの走行が可能です。充填時間は約20分で、1週間に1度約10キログラムの水素を補充します。このプロジェクトを通じて、水素の供給や運用に関する知見が得られ、今後の開発に役立てられる予定です。

環境への配慮と未来への期待

東京都知事の小池百合子氏は、この新たな取り組みについて「水素エネルギーを活用した先進的な試み」と評価し、東京から世界への強いメッセージだと述べています。このような地元の動きが、全国での脱炭素化の取り組みを加速させることに期待が寄せられています。

日本航空の代表取締役社長である鳥取三津子氏も、「地球環境問題への対応は航空業界にとって重要な課題であり、持続可能な社会の実現にも寄与していきたい」と意気込みを語っています。2050年までにCO2排出実質ゼロを目指し、この試験運用がその一助となることが期待されています。