マイナビ派遣社員調査
2025-09-18 11:45:27

マイナビ2025年度派遣社員調査結果から見える雇用の現状と未来

株式会社マイナビが実施した「派遣社員の意識・就労実態調査(2025年版)」の結果が発表されました。本調査は2019年から毎年行われており、今年で7回目となります。この調査は、派遣社員として働く20〜59歳の男女を対象にし、昨今の派遣労働の実態や意識を探る重要な指標となっています。

調査結果によれば、派遣社員の約70%が自身の働き方に満足していると回答しており、その理由の一つには「有給休暇や休日の取得がしやすい」という点が挙げられています。特に、業務の責任が比較的軽いことが多いため、仕事とプライベートをうまく両立できる点が魅力とされているようです。しかし一方で、報酬面に対する不満も多く、54.9%の人が「賞与がない・少ない」という不満を訴えています。

また、派遣社員の平均時給は前年の1,475円から13円上昇し、1,488円となりました。とは言え、理想の時給との乖離は156円に留まっており、報酬に対しての期待と実情のギャップは依然として存在していることが浮き彫りになっています。

興味深い点として、調査対象者の約25%が以前は正社員として働いていたことが明らかになりました。彼らが派遣社員を選んだ理由としては、業務上の責任が軽いため、心身ともに余裕が持てることが挙げられます。特に前職の雇用形態が正社員だった人に対して、経済的ゆとりの面では正社員が優位であるとされる一方で、時間的・精神的なゆとりに関しては派遣社員の方が高い評価を得ているという結果が出ています。

今後の展望として、59.3%の派遣社員が引き続き不安定な契約形態で働き続けることに対して、経済的安定を求めて正社員への転職を希望する割合も29.9%に上昇しています。特に、賞与や賃金が正社員に比べて不足している現状を改善したいというニーズが強いことが伺えます。

さらに、AIの進展により仕事が減ってしまうという不安も派遣社員の約35%が抱えており、特にテレオペやオフィスワークなどの定型業務に従事する層では高い割合を示しています。このような不安が高まる中で、具体的なリスキリングを行う派遣社員は19.8%と、行動に移している人は少数に留まっています。

最後に、2025年10月には最低賃金の引上げが予測されているものの、企業側はコスト削減のためにAIや自動化の導入を進める兆しがあります。このため、今後も非正規雇用の派遣社員にとっては、不安定な雇用環境が続く可能性が高いと言えます。派遣社員として存続を希望する人々のために、待遇改善やリスキリング支援が重要であると考えられています。

この調査結果は、今後の雇用の在り方や派遣社員の立ち位置を考える上で貴重な資料となります。職業選択の自由や、個々の生活スタイルに合った働き方を追求するためには、企業側、社会全体での制度整備が求められているのかもしれません。


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東京都千代田区一ツ橋1丁目一番一号パレスサイドビル
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03-6267-4155

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