サステナブルな革新、チャッカメン(着火綿)の誕生
愛媛県今治市に本社を置く一広株式会社が、環境への配慮と持続可能な社会の実現を目指して開発した『チャッカメン(着火綿)』が、2024年度グッドデザイン賞を見事に受賞しました。この商品は、廃棄される短繊維を活用することで、新たな循環型バリューチェーンを構築することに成功しました。
環境問題への取り組み
一広株式会社は、SDGs(持続可能な開発目標)に則り、タオル事業を通じて社会課題の解決に取り組んでいます。2021年には、サーキュラーエコノミーの理念に基づく『リボーンコットン』を導入し、タオルの製造から廃棄までの一連の流れを改善してきました。
今回の『チャッカメン(着火綿)』の開発は、この取り組みの一環として進められました。タオルの製造過程で発生する短繊維は、従来なら廃棄されてしまう運命にありましたが、この短繊維を有効に活用することが目指されています。結果、チャッカメンは、廃棄物から高性能な着火剤へと生まれ変わりました。
独自の製法と性能
チャッカメンの製品化には、再生糸『リボーンコットン』の開発と同様に、多くの試行錯誤がありました。綿本来の自然な燃えやすさを活かし、化学物質を一切使わない製法で着火剤を実現しました。これにより、敏感な方にも優しい製品となり、安心して使用できるのです。
さらに、着火にかかる時間は3〜5分程度と、一般的な着火剤と遜色のない性能を誇ります。コンパクトで軽量なデザインは持ち運びや収納に優れ、野外での使用にも最適です。カキャンプファイヤーやBBQ時においても、安全且つ快適な体験を提供します。
環境負荷の削減目標
一広株式会社は、タオルの製造過程においても、環境への配慮を行っています。製造にかかる水やエネルギーの使用量を削減し、廃棄物の焼却やCO₂の排出量を2025年までに20%削減することを目指しています。これは、同社が誇る「5ツ星クオリティ」の技術によって実現された数値であり、環境負荷を最小限に抑えつつ、高品質な製品を提供するための努力の成果です。
まとめ
一広株式会社は、『チャッカメン(着火綿)』を通じて、タオルという身近な製品の製造過程における廃棄物問題を解決し、資源の循環を促進しています。この取り組みが業界全体に波及し、多くの企業が持続可能な社会の構築に向けた行動を起こすことを期待したいものです。今後も、環境に優しい商品開発にさらなる注力を続け、心の豊かさと生活文化の向上に貢献していくでしょう。