メタバースで新たな安全講習を実現したシノダックの挑戦

岐阜県の小さな町に位置するテント製造会社、シノダックは、わずか30名の社員でテントの製造から施工までを手掛けています。この会社が、最新技術を取り入れた斬新な安全講習を始めました。それがメタバースを活用した体験型の講習です。

この新しい試みは、従来の座学形式の安全研修とは全く異なるアプローチを採用しています。具体的には、メタバース内での高所足場からの落下体験や倉庫内での整理整頓の仮想体験を通じて、社員が安全意識を高めることを目的としています。特に言語の壁がある外国人実習生や、長時間座っていることが難しい高齢者社員にとって、体験を通じた学びは非常に効果的です。

シノダックのメタバース体験

メタバースの導入背景と狙い

シノダックの女性役員は、「眠くならない勉強会を開きたいが、必要な事を敬遠するわけにはいかない」と考え、この問題を解決する手段としてメタバースを提案しました。地元の商工会議所でのVRゴーグル体験がきっかけとなり、「安全講習にも応用できるのでは？」というアイデアが生まれました。

社長を説得し、メタバース制作会社と協力して、実際の企画が立ち上がりました。今年の秋、高所足場から転落する体験をする外国人実習生の反応は予想以上で、大声で叫びながらも楽しんで体験をしていました。このように楽しみながら危険を学ぶことで、安全意識が高まることが狙いです。

今後の展望と特別体験会の開催

シノダックは、将来的にはこのメタバースでの安全講習を多くの企業や業界に広げていくことを目指しています。安全は建設業界における最優先事項であり、このような革新的なアプローチが事故防止につながることを期待しています。また、シノダックはメタバースショールームを開設し、その利用方法や体験の詳細を公開しています。

今後は、2023年11月8日から10日、名古屋で開催されるメッセ名古屋2023の恵那商工会議所ブース内や、11月11日の恵那産業EXPO2023の屋外ブースにて体験会を予定しています。これらのイベントは非公開で、社内教育用の特別な体験となりますが、興味を持たれた方々はぜひ足を運んでみてください。