JTBグループの2035年への展望
はじめに
2023年10月、株式会社JTBは、2035年を見据えた長期ビジョン『OPEN FRONTIER 2035』を策定した。このビジョンは、JTBグループが「新」交流時代のフロンティア企業として、個人や地域、組織の間を結びつける新しい価値の創造に取り組む姿を示している。このビジョンには、地球規模の環境変動や人口の変化、そして生成AIを含む技術の進展が影響を及ぼしており、JTBはそれに対して迅速な対応を図ることが求められている。
ビジョン策定の背景
本ビジョンの策定には、移動や情報、意思決定のプロセスの刷新が必要であるとの認識があった。社会システムの再構築が進む昨今において、交流の重要性が一層高まっている。JTBは、こうした情勢に対応するために、企業競争力の中核に「交流創造Intelligence」を位置づけ、顧客に対して新たな価値を提供することを目指す。
JTBグループの価値の源泉
JTBは「交流創造Intelligence」を基に、顧客の理解や情報収集力、パートナー基盤の活用を通じて、人や地域、組織の間に新たな「交流」を生み出すことを考えている。この戦略の一環として、2025年に「Northstar Travel Group」の株式を譲り受け、さらなるデータ分析能力や国際的なネットワークを確保した。これにより、デジタル領域での競争力を高めながら、JTBの価値創造を加速させることが期待されている。
ありたい姿に向けた変革のポイント
JTBは114年の歴史を誇る企業であり、今後も洞察力と専門性を活かして社会課題の解決に貢献することを目指している。そのために、以下の4つの変革ポイントを掲げる。
1.
グローバル:世界的な視点を持ったサービスの提供。
2.
ビジネスモデル:新しい収益化の方法を模索。
3.
情報・データ:デジタル化の推進。
4.
カルチャー:企業文化の再構築。
JTBの事業戦略
JTBが推進する事業戦略は以下の4つである。
- - Global Tourist Solution:パーソナライズされた旅行体験を提供。
- - Global Business Solution:法人向けの高い投資効果を追求。
- - Global Area Solution:地域への貢献を強化。
- - Global Tourism Intelligence:マーケティングソリューションによる付加価値向上。
2035年に向けた財務目標
2035年に向けて、JTBは収益性向上のための具体的な指標を設定している。成長投資や優良資産の形成を促進し、企業価値を高めて信頼と資金調達力を強化することが目指されている。また、持続可能性を考慮した資産形成も重要視されており、地域や社会への貢献を推進していく。特に、DEIB(多様性・公平性・包括性)を重視し、オープンな働き方や社員のキャリアデザインの仕組みを整動させることで、より良い企業文化の構築に向けた取り組みも進められている。
サステナビリティへの取り組み
JTBは、サステナビリティに関する活動を強化するために「JTBソーシャル・コミットメント・プログラム」を設立し、地域コミュニティの保全活動を支援する。特に、自然環境の保護や文化財の保存活動を通じて、地域の持続可能な発展に寄与することを目指している。
今後の展望
「交流」の価値は今後さらに高まると予測され、JTBはこれを社会に提供する新たなフロンティア企業としての役割を果たしていく。多様な技術や知見を持つパートナーと協力し、持続可能で豊かな未来社会の実現に貢献する決意を固めている。さまざまな交流の機会を創出し、人と地域のつながりを強化することが、JTBのビジョン実現に向けた鍵となるであろう。