2023年7月23日、東京大学発のAIスタートアップ株式会社Lightblueが、株式会社うるるBPOと共同で新サービス「AIブリッジ for Lightblue」を発表した。このサービスは、企業の生成AI活用における重要課題であるデータ整備のサポートを目的としており、特に初期段階や運用フェーズでのデータ更新と最適化に焦点を当てている。現代の企業においては、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速と相まって、生成AIの導入が進んでいる。しかしながら、実際には「AIに学習させるためのデータ整備」が大きな障壁となっていることは周知の通りだ。導入後には、継続的なデータの更新や最適化が求められるが、社内に蓄積されたデータを効果的に活用するには高度な処理が必要だ。多くの企業がこの課題に直面し、十分なリソースを確保できないため、AIの導入効果を最大限に引き出せない状況が見受けられる。
株式会社うるるBPOは、これまで数多くのSaaS企業への導入支援を行っており、データ整備における豊富な実績とノウハウを持つ。生成AIの急速な進化に伴い、特にAI-Readyデータの生成やデータ整備の重要性が増しているなか、同社は高い評価を得ている。「AIブリッジ for Lightblue」では、企業が直面するデータ整備のあらゆる側面に対して包括的な支援を提供していく予定だ。
この新サービスは、業務ヒアリングを通じてAIを効果的に活用できる業務を特定し、その結果をもとに最適な整備戦略を立てる。さらに、AI-Readyデータを迅速に生成し、構築したデータを基に「Lightblue」と呼ばれるAIアシスタントを実装することができる。また、導入後は持続可能なデータ管理を通じ、企業が生成AIを本格的に活用できる環境を整える。重要なのは、生成AIが正しく理解でき、活用できるデータ、いわゆる“AI-Ready”なデータを持続的に整備するプロセスである。
具体的には、本サービスは以下の段階で進行する。1つ目は、生成AI活用コンサルティングであり、企業の業務内容を理解した上で最適かなデータ範囲を特定する。2つ目は、AI-Readyデータを生成するプロセスであり、紙媒体の資料をデジタル化し高精度なOCR処理を実施。この結果、高品質なデータを迅速に生成していく。3つ目は、構築されたAI-Readyデータを使用して「Lightblue」というAIアシスタントを提供する段階である。最終的には、導入企業が生成AIの運用をデータ管理の観点から支援する。
企業が生成AIを取り入れることは、競争が激化する現代ビジネスにおいて不可欠であるが、その道のりは決して平坦ではない。「AIブリッジ for Lightblue」を介したデータ基盤の構築が、企業の生産性を向上させる鍵となることが期待されている。今後も企業のデジタル化が加速する中で、LightblueとうるるBPOの協力が形作る新たな未来に目が離せない。