かんぽ生命と日本IBM、AI駆動の新システム開発をスタート
株式会社かんぽ生命保険(以下「かんぽ生命」)と日本アイ・ビー・エム株式会社(以下「日本IBM」)が、AIを活用した新たな開発プロジェクトを始動しました。この取り組みは、顧客に対してより迅速かつ質の高いサービスを提供することを目的としています。この新しい試みでは、AIを駆使した開発業務の効率化や、長年の経験と知識を整理して活用する仕組み作りに力を入れています。これにより、開発の品質を維持しながら、顧客のニーズの変化にも柔軟に対応できる体制の整備を目指します。
1.背景
近年、お客様のニーズや社会環境、法制度の変化はますます加速しています。生命保険業界においては、こうした変化を乗り越え、安定的にサービスを提供し続けることが一層求められています。かんぽ生命では、顧客体験の向上に向けて新たなサービスの提供や業務の改善を進めていますが、変化に適応するためには、迅速にシステムを対応させる体制が不可欠です。
これまでの開発現場では、ベテラン社員の豊富な経験と専門知識がシステムの品質を支えてきましたが、今後はこうした知見を組織全体で活用し、AIによる新たな開発手法を取り入れることが重要です。また、大規模な開発においては、AIが生成した成果物の品質確認を行い、AIと人間の役割を明確に分けるための新たな管理ルールも必要になります。
2.取り組みの概要
このAI駆動開発の試みでは、「かんぽスペック駆動開発標準」という独自の開発基準を整備します。これにより、開発に関するルールやノウハウを整理し、AIへの指示方法、成果物の作成方法、品質確認の方法、人とAIの役割分担を体系化します。これまで経験豊富な社員たちによってきた知識を、すべての社員が活用できる形に整えることで、変わる担当者にも安定した開発を継続できる基盤を目指します。また、実際の開発から得た成果や知見をこの標準に絶えず反映していく方針です。
日本IBMの支援を受け、このプロジェクトはさらに進化します。具体的には、AI駆動開発ソリューション「AI Lifecycle Shared Engineering Artifacts(ALSEA)」を用い、かんぽ生命が有している長年の保険業務の知見と、IBMのAI技術を融合させ、新たな開発手法を確立します。最終目標は、従来と比較して開発にかかる工数を50%削減し、品質と生産性を両立させることです。
3.期待される成果
このプロジェクトにより、以下の点が実現されることを目指しています:
- - 迅速なサービス提供:顧客ニーズや法律の変化に対して迅速にシステムを対応させ、より快適なサービスを提供。
- - 知識と経験の資産化:長年の知見を整理し、全社員が活用できる形にすることで、サービス提供の安定化。
- - 品質向上:AIと人間の役割を明確にして、それぞれの強みを活かした信頼性のある開発環境の確保。
- - 開発人材の育成:標準化により、担当者が共通の手法で業務を進めやすくし、次世代の人材育成に貢献。
- - 付加価値業務への注力:効率化が進むことで、社員が新しいサービスの企画や顧客体験向上に集中できる環境を整備します。
4.今後の展望
今後、かんぽ生命は、開発現場で培われた知見を組織全体の資産として活用し、安定した「開発基盤」を構築します。この取り組みを通じて、AIとデジタル技術を活用しながら、個々の顧客に寄り添ったサービスを提供し、さらなる顧客体験価値の向上を目指していきます。日本IBMもその技術と知見を駆使し、今後の開発の革新を引き続き支援する方針です。