BCP対策の実態とその課題
近年、自然災害やサイバー攻撃といったリスクが多様化する中、企業や自治体は事業継続計画(BCP)の策定を進めています。エプソン販売株式会社が実施したBCPに関する意識調査によると、BCPの策定率は半数を超える一方、有事における運用面では多くの課題が浮かび上がっています。
調査結果の概要
調査によると、BCP策定率は、企業や自治体の間で高く、特に自治体が80.2%、医療・福祉が64.3%と答えている一方で、卸売業・小売業は37.1%と低い結果を示しました。しかし実際に有事を経験した企業の34.7%が業務停止を伴う被害を受けています。特に製造業においては半数近くが業務停止を経験しており、これがBCPの実効性に課題があることを示しています。
安否確認が最大の課題
調査では、業務停止を経験した際、復旧が遅れた最大の要因として「従業員の安否確認」が64.6%と最も多く挙げられました。初動の段階での情報集約や共有の遅れが、その後の対応に影響を与えることが示唆されています。
有事発生直後の初動対応において、重要なポイントとして「従業員の安否確認」と「災害情報の収集」が上位に位置し、これが初動対応の迅速さにつながることから、組織内における情報共有体制の整備が急務であることが理解できます。
アナログの重要性
また、調査の結果、62.2%が「紙資料の必要性」を認識しています。停電や通信障害が発生する状況において、デジタル環境へのアクセスが制限される際には、紙媒体が迅速な情報の確認や共有において不可欠であることが明らかでした。
特に、災害時対応マニュアルや緊急連絡網の用意が重要視される一方、最新の指示書や被害状況報告書の印刷へのニーズも高まりつつあります。このことからも、平時からの紙資料の準備が重要であることが認識されるべきです。
企業のBCP対策の投資状況
持続的なBCP対策の実施には、投資も欠かせません。調査によると、年に1,000万円以上をBCP対策に投じている企業は18.8%に上ります。特に製造業でのこの割合が高く、投資が実践的な備えに繋がっていることが分かります。
エプソンの取り組み
エプソンは、BCP対策の実施において「情報共有」と「可視化」が欠かせない要素であることを重視しています。低消費電力で稼働可能なプリンターや、プロジェクターを活用して有事の現場での情報共有を支援しています。これにより、紙とデジタルを活かした情報共有の環境づくりを進めています。
まとめ
BCP対策の現状は、策定が進む中でも安否確認や情報の共有が課題であることを示しています。停電や通信障害を考慮した上での物理的な情報の重要性も増しており、各企業がこの情報の準備に力を入れることが求められています。エプソンは今後も、企業や自治体のBCP対策を支援し、迅速な対応が可能な環境の整備に努めていく所存です。