2026年5月18日、ドイツのシュツットガルトにて行われたAutomotive Testing Expoで、Vector Informatik GmbH(以下、ベクター)とSolectrix GmbH(以下、ソレクトリックス)は、ADAS(Advanced Driver Assistance Systems)および自動運転機能(AD)向けの最新のデータリプレイソリューションを共同発表しました。この新たなソリューションは、カメラを利用する自動運転技術やドライバーアシスタンス機能のテストにおいて、現実的かつ再現性のあるテスト環境を提供することを目的としています。
近年、自動運転技術が急速に進化する中で、開発におけるテストの重要性は高まっています。特に、実際の運転シナリオを忠実に再現できるテスト手法が求められており、今回のプロジェクトはその期待に応えるものとなるでしょう。
ベクターは、車両通信やバスシミュレーション、さらにバーチャルドライビングシナリオに実績のあるシミュレーションツール「CANoe」や「DYNA4」を提供する一方、ソレクトリックスは組み込みビジョンに特化した高性能なビデオキャプチャシステム「proFRAME」を提供します。その連携によって、ユーザーはテストやビデオリプレイに関する幅広い機能を利用でき、実シナリオと仮想シナリオを統合することが可能になります。
具体的には、完成されたシステムを用いることで、実際のテストシナリオを異なるソフトウェアバージョン間で同時に実行し、リグレッションテストや複雑な交通事象の解析を行うことが可能になります。これにより、開発サイクルの短縮やテスト時間の大幅な削減が期待できるのです。
また、今回のソリューションでは、バーチャルドライビングシナリオがリアルタイムでカメラストリームとして出力され、カメラ向けのI²C通信のエミュレーションも同時に行えるという点も特筆すべき点です。これにより、物理的な車両を使わずにECU上でのADASの妥当性を確認できます。さらに、映像データやI²Cデータを操作することにより、フォールトのシミュレーションを行ったり、障害シナリオを調査したりするなど、より包括的なテストが実施できるようになります。
このソリューションがもたらすのは、再現性のあるテストだけではありません。多様なデータソースとシミュレーション機能が組み合わさることで、開発プロセス全体の透明性や効率性が向上し、高度なADAS/ADシステムの妥当性確認も容易に行えるようになります。これにより、将来的な自動運転の実現に向けた基盤が構築されることになります。
この新しいテストソリューションは、2026年6月23日から26日までの期間、シュツットガルトで開催されるAutomotive Testing Expoにて初披露される予定です。来場者はベクターのブース(Hall 1、Booth 1602)やソレクトリックスのブース(Hall 1、Booth 1321)を訪れることで、この革新的なテスト環境を体験できます。両企業の専門家も常駐するため、技術的な質問や意見交換も可能です。
なお、ベクターとソレクトリックスのお互いの特徴や技術については、各社の公式サイトでも詳細を確認できます。今後の自動運転業界における新たなスタンダードを打ち出す本ソリューションの展開に、多くの期待が寄せられています。