保育AI「こどもストーリー」が1EdTech Japan賞を受賞
株式会社ベネッセスタイルケアグループと株式会社コドモンが共同開発した保育AI「こどもストーリー」が、教育テクノロジーの利用促進に寄与したとして、最近発表された第10回1EdTech Japan賞で「優秀賞」に選ばれました。この受賞は、教育現場におけるAIの新たな可能性を際立たせるものとして、大変注目されている取り組みです。
保育現場の負担を軽減する新たなツール
保育現場では、児童票や要録(成長記録)の作成が大きな負担となっています。これらの作業は、毎日の保育記録を基にして行わなければならず、非常に時間がかかるプロセスです。「こどもストーリー」は、保育者が日常的に作成する保育記録「保育ドキュメンテーション」を元に、AIが効率的に児童票や要録の作成をサポートします。これにより、業務の負担を大幅に軽減し、教育現場の円滑な運営を促進するのです。
このAIは、子どもたちの成長を「5領域」や「10の姿」といった観点から要約することで、保育士に新たな気づきを与えるだけでなく、保護者へ子どもの中長期的な成長を具体的に伝えることも容易にします。これにより、保育の質が向上し、子どもたちがより良い環境で育つことが期待されています。
共同検証とサービス開始の予定
現在、ベネッセとコドモンはこの「こどもストーリー」の共同検証を行っており、2026年1月にはβ版の提供を開始する計画です。その前に、新たにこのシステムを導入する保育施設を対象に、200施設を限定にした2次募集が行われています。これにより、さらに多くの施設に「こどもストーリー」の利便性を体験してもらう機会が増えます。
受賞への感謝と未来への展望
受賞に際し、ベネッセスタイルケアグループの保育ICT事業部長鈴木聡子氏は、「この受賞は、日頃ご利用いただいている保育士や、開発に協力いただいた皆様のおかげであり、心から感謝しています。私たちはAIを活用し、保育現場の業務を軽減しつつ、子どもたちの成長を見守る手助けをすることを目指しています」とコメントしました。AI技術は、専門性を持つ教育者の思考を深める道具として活用され、この協働によって、子どもたちと向き合う時間がより豊かになることが期待されているからです。
今後も「こどもストーリープロジェクト」を通じて、保育現場と連携し、未来の保育環境を構築していく意義深い取り組みが続けられます。そして、このAIが導入されることで、子どもたちがより健やかに育つ環境が整っていくことが期待されています。
1EdTech Japan賞とは
「1EdTech Japan賞」は、日本での教育テクノロジーの利用促進を目的とした賞であり、国際的に評価の高いEducTech Consortium の基準に基づいて毎年贈られます。この賞は、教育現場における技術の効果的な利用と、その結果生まれる教育・学習のデジタルトランスフォーメーション(DX)に対する貢献を評価するものです。今回受賞した「こどもストーリー」は、その理念を具現化したプロジェクトとして、今後の発展が期待されます。