「まきコンペ」と地域の共創
2025年10月に開催されたQWS STAGE #24で、地域を舞台とした共創型コンペ「まきコンペ」が最優秀賞および東急賞を獲得しました。このコンペは、地域に埋もれた潜在的な魅力を掘り起こし、地域の人々が一丸となって未来のまちづくりを進めていくことを目的としています。地域住民や学生、クリエイター、行政が協同で取り組むことで、単なるアイデア提案で終わらず、実践へとつなげていく点が特徴です。
新たな建築プロセス
「まきコンペ」は、地域に“もったいない”とされる場所を題材にしており、参加者は地域に根ざした提案を行うことで、まちの潜在能力を引き出すことを目指しています。従来の競技会とは異なる、「提案で終わる」のではなく、実際に地域の問題にアプローチするためのプロセスを重視しているのです。
今までに多くの地域の課題に取り組み、自発的に行動する「まちのプレイヤー」を数多く生み出してきたこのコンペは、地域に新たな行動の連鎖を起こしました。審査員たちは、このコンペが「地域との共創を推進するプラットフォームとしての新しさ」を評価しました。特に、地域だけでなく行政や企業を巻き込んで活動するその実践的な姿勢に対しても期待が寄せられています。
全国展開と地域との連携
「まきコンペ」は、千葉県館山市や三重県鳥羽市など、これまでにいくつかの地域で実施されてきました。現在は、東京都北区駒込エリアの暗渠商店街を対象とした「暗渠商店街まきコンペ」が進行中です。この最近の取り組みも、地域と外部のアイデアを結びつけ、地域の新たな資源を活用する試みです。今後も日本各地での開催を視野に入れ、地域資源を活用した新しい共創の形を模索していく予定です。
◆お問い合わせは
「まちあそびラボ」という団体
一般社団法人まちあそびラボは、東京大学発の団体です。地域の方々が自発的に街へアクションを起こすことを目指し、人々の共創に焦点を当てたプロジェクトを実施しています。地域にひとやアイデアを呼び込むための取り組みを通じて、住民が自分自身の街をよくするために動き出すことを目指しています。
代表理事の正林泰誠氏は、このような地域活性化を実現するための重要な役割を担っています。今後も「まきコンペ」を通じて、地域の魅力を引き出し、実践につなげる活動が広がっていくことが期待されます。