特許庁、ベンチャーキャピタル向け知財専門家派遣プログラム開始
特許庁は、2025年5月26日から「ベンチャーキャピタルへの知財専門家派遣プログラム(VC-IPAS)」の募集を開始します。このプログラムは、スタートアップへの投資や経営支援を行っているベンチャーキャピタル(VC)に、弁理士や弁護士といった知的財産の専門家を派遣し、投資前後のスタートアップに対して事業戦略に沿った知財戦略の構築を支援するものです。
プログラムの背景と目的
昨今、スタートアップにおける知的財産の保護と活用の重要性が高まっています。そのため、VCもスタートアップの知財に基づいた投資価値の判断を行い、知財専門家と連携しなければならない状況になっています。これにより、リスクを低減し、スタートアップの成長をさらに促進するための取り組みが必要とされています。このプログラムを通じて、VCと専門家が協働することで、VCの知財リテラシーの向上を図り、知財業務の運営能力を高めることを目指しています。
プログラムの概要
このプログラムでは、知財に関する課題を有するVCや、社内の知財支援を強化したいと考えているVCを対象に、知財専門家と協力して知見を蓄積し、自立して知財業務を遂行できるよう支援します。
公募詳細
1)活動内容:登録した知財専門家の中から採択されたVCが持つ課題やニーズに応じて、メインメンターまたはスポットメンターとして派遣されます。メインメンターにはおよそ60時間の稼働が期待され、知財支援に必要な基礎的知識を習得する機会も提供されます。
- - メインメンターの役割:VCのスタートアップ支援業務における知財業務の運営や改善方法を支援します。具体的には、知財調査や知財戦略の検討においてキャピタリストと連携して活動します。
- - スポットメンターの役割:特定の状況に応じて、メインメンターを補完し、必要に応じて派遣されます。
2)専門家登録の要件:弁理士または弁護士資格を有し、スタートアップ支援に意欲があることが求められます。
3)応募期間:公募は2025年5月26日から2026年2月27日までです。
プログラムの構成
本プログラムには二つの派遣コースがあります。半年間を通してスタートアップへの知財支援を進める「半年コース」と、短期的にスポット的に支援を行う「短期コース」です。
半年コース
- - 概要:半年間、スタートアップの知財支援に必要な案件数を持つVCを対象にサポートします。
- - 派遣時間:1つのVCに対し、約120時間の派遣を予定。
- - 期間:2025年8月中旬から2026年3月6日まで。
短期コース
- - 概要:支援ニーズに応じて、知財活動に興味のあるVC向けにスポット支援を行います。
- - 派遣構成:VCのニーズに応じて専門家を適宜派遣します。
申し込み方法
応募希望者は、指定のURLから募集要領をダウンロードし、必要書類を記入の上、指定のメールアドレスに提出します。詳細については、特許庁の公式ウェブサイトや募集要領を参照してください。特許庁は、このプログラムを通じて多くの知財専門家の参加を期待しています。