新たな3D細胞技術で脂肪性肝炎の新薬を支援
株式会社サイフューズは、東京都港区に本社を構える企業で、脂肪性肝炎に対する新薬開発を支援する3D細胞製品を新たに開発したことを発表しました。この新製品は、現代社会で増加している生活習慣病の一因である脂肪性肝炎に対して重要な役割を果たすことが期待されています。
脂肪性肝炎の現状と課題
脂肪性肝炎は、過食や運動不足、糖尿病などが原因で引き起こされ、多くの人が罹患している疾患です。国内では200万から300万人がこの病に悩まされており、特に肥満の増加とともに有病率も上昇しています。これにより、肝硬変や肝細胞がんといった重篤な疾患のリスクも高まっています。また、現在唯一承認された治療薬は2024年の春に米国で認可された「Rezdiffra」ですが、脂肪性肝炎に対する新たな治療薬の開発は急務となっています。
新製品「ヒト3Dミニ肝臓®」の特徴
株式会社サイフューズは、ヒト肝臓の機能を部分的に体外で再現した「ヒト3Dミニ肝臓®」を進化させ、脂肪肝から脂肪性肝炎に至るまでの様々な疾患状態を個別に再現できる新しい3D細胞製品を開発しました。この製品は、独自の基盤技術を用いており、特殊な細胞培養技術が適用されています。さらに、製品の品質を保証するための技術も組み込まれており、高いユーザビリティを誇ります。
3D細胞製品の未来: FCDの可能性
この新しい製品は、機能性細胞デバイス(FCD)と呼ばれ、薬物の応答性の評価や疾患メカニズムの解明に寄与すると期待されています。また、動物実験の代替法としても注目されています。これは、従来の2D培養では再現が困難だった生体内の複雑な環境を3Dで再現することで、新薬開発における時間とコストの削減にも寄与します。このFCDの技術革新は、医療界において新たな地平を開く可能性があります。
今後の展開と販売パートナーとの連携
今後、サイフューズはこの新製品を脂肪性肝炎の治療薬開発に取り組む製薬企業に提供する予定です。そのため、2025年下期に向けた準備が進められています。また、シスメックス株式会社をはじめとするパートナーと連携し、日本毒性学会などの展示会に参加することで、市場浸透を目指す考えです。
このようにして、サイフューズは自社の3D細胞技術を活用し、社会的課題に貢献する道を模索しています。これからの展開が期待される新しい3D細胞製品が、医学と社会に与える影響を楽しみにしています。