腰痛はもっと早く気づいて対策を！新調査から浮かび上がった実態

腰痛は、多くの人々にとって生活の質に大きな影響を与える身近な健康問題であるが、その気づきと対処の実態は意外にも後手に回っていることが多い。野中腰痛クリニック（大阪府大阪市、東京都中央区）が実施した調査によれば、腰痛を抱える人々の約4割が、痛みを実感するまでに数日以上の時間を要したと回答している。

腰痛に気づくまでの時間

調査では、日本国内の20～70代男女1,006人を対象に、腰痛に対する意識や行動について尋ねた。その結果、腰に違和感を覚えてから認識するまでの時間には個人差があり、60.9％がすぐに「腰痛」と認識した一方、23.5％が数日、6.4％が1週間程度かかるなど、気づきに差が見られた。中には2ヶ月以上経って初めて気づいた人もいた。

このことから、腰痛の自覚は重要であり、早期に気づくことがその後の対策や受診に大きく影響することが伺える。特に、どういった理由で気づきが遅れたかというと、「一時的なものだと思っていた」が58.3％で最多を占め、それに続いて「痛みが軽かった」37.2％という結果が出た。

自覚のきっかけ

気づいたきっかけとしては、主に日常的な動作が多いことが明らかになった。43.4％が「長時間座ったあとに立ち上がったとき」と回答し、次いで「荷物を持ち上げたとき」が40.8％、「朝起きたとき」が37.2％と続いた。特にデスクワーカーや家庭での家事を行う人々にとって、これらの状況は身近なものとして共通する。

対策と受診の動向

初めて腰痛を経験した際に、最も多くの人が選んだ対処は42.5％が「市販の湿布や薬を使用した」とのこと。一方で、24.9％は医師の診察を受け、22.5％が整体・整骨院に行く選択をした。市販薬で済ませるという手軽さが人気な一方で、専門家に相談する動向も見受けられた。

その後、腰痛を経験した方の約半数以上が「無意識に腰をかばうような動作をしている」という意識があることも確認された。これは、日常生活において腰を守る行動が知らず知らずのうちに身体に負担をかけている可能性も示唆している。

腰痛悪化の要因

悪化の原因として最も多かったのは「長時間同じ姿勢をとる（44.7％）」であり、特にデスクワークが主な原因として挙げられる。重い荷物を持ち上げたり、家事で前かがみの姿勢を取ることも悪化要因として共通していた。このことから、日常の小さな動作に注意を払い、対策を講じることが重要であるといえる。

身近な人々との共通課題

調査の結果、腰痛は個人の問題にとどまるものではなく、約60％の人が周囲に腰痛を抱える人がいると答えたことからも明らかになった。家族や同僚、友人など身近な人にも腰痛を抱えるケースが多く、日常の会話の中で「腰の調子」について語ることが一般的になる場面もある。

まとめ

今後は早期の気づきと適切な対処が重要であり、腰痛をきっかけに生活習慣を見直す機会にも繋がる。しかし、腰痛の原因となり得る日常的な行動を避けたり、症状を和らげる工夫が必要であることを認識し、場合によっては専門医の受診を検討することが肝要である。健康維持のために、腰痛について意識を高めることが求められています。