リンヴォックの新承認
2025-05-23 13:15:19
リンヴォック(R)が巨細胞性動脈炎の治療薬として承認、患者に新たな光明
リンヴォック(R)が巨細胞性動脈炎に新たな治療選択肢を提供
アッヴィは、15 mgのリンヴォック(R)(ウパダシチニブ)が、米国食品医薬品局(FDA)から巨細胞性動脈炎(GCA)の成人患者向け治療薬として新しく承認されたことを発表しました。リンヴォックは、これまでのリウマチ領域や消化器・皮膚疾患に加えて、GCA治療への適応を拡大したかつてない経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬です。この承認は、米国におけるリンヴォックの9つ目の適応として重要な意味を持ちます。
巨細胞性動脈炎(GCA)とは
GCAは、側頭動脈へと炎症を引き起こす自己免疫疾患であり、多くの成人特に70~80歳の白人女性に多く見られます。この疾患は、未治療の場合、消耗性の症状を引き起こすだけでなく、最悪の場合、失明や脳卒中といった深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
アッヴィのエグゼクティブバイスプレジデントであるRoopal Thakkar, M.D.は、「今回の承認は、GCA患者にとってステロイド治療の減少を可能にし、かつてない治療の選択肢を提供するものです」と述べています。
SELECT-GCA試験の結果
この承認は、SELECT-GCAという名の第III相の試験結果に基づいています。この試験では、リンヴォックと26週間のコルチコステロイドの漸減投与を併用したグループと、プラセボと52週間のステロイド投与を受けたグループを比較しました。その結果、リンヴォック群では、患者の46.4%が12週から52週の間に寛解を維持したのに対し、プラセボ群ではそれが29%と報告されています(p=0.002)。このデータは、リンヴォックの効果を示すものであり、治療の選択肢が増えることの重要性を際立たせます。
安全性と忍容性
試験中、リンヴォックの安全性も評価され、他の承認を受けた適応症におけるものと一致していました。つまり、特別な副作用やリスクが新たに確認されなかったことは大きな安心材料です。
治療法としての進展は重要であり、患者に新たな希望を提供することが期待されます。GCAの治療において、ステロイドを主軸とする治療法には、多くの場合、副作用や毒性が見られますが、リンヴォックはその新たな選択肢となることでしょう。
まとめ
リンヴォック(R)のGCAに対する承認は、リウマチ専門医からも注目される治療の一環です。アメリカペンシルベニア大学リウマチ科のPeter A. Merkel, M.D.は、この新薬によってPACが克服できる可能性があると自信を持っています。GCA患者のニーズに応えるための新たな治療法が市場に登場したことで、より多くの患者が健康を取り戻し、生活の質を向上させることが期待されます。アッヴィは今後も、免疫介在性疾患にかかる治療の改善に努めていきます。
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