カーブジェン、最先端の抗菌薬選定支援システムを開発中
株式会社カーブジェンは、国立国際医療研究センターと共同で「細菌感染症菌種推定・適正抗菌薬選定支援システム」の特許(特許第7090302号)を取得しました。この新システムは、細菌の種類を特定し、その感受性を解析するための技術を活用しています。具体的には、菌種を特定する情報と感受性率を取得する機能を備えており、携帯端末用のシステムとして開発されています。これにより、医療現場において迅速かつ正確に抗菌薬を選定するサポートが可能になります。
BiTTEの技術革新
カーブジェンは、この特許技術を基にしたAIアプリ「BiTTE(ビッテ)」の開発を進めています。BiTTEは、尿検体のグラム染色画像と培養検査の結果を学習させた画像認識AIを活用しています。これにより、菌種推定の精度が向上し、感染症の早期発見と適切な治療が実現することが期待されています。
さらに、BiTTEの抗菌薬選定支援機能は、薬剤感受性試験の結果を統計的データとして利用するアンチバイオグラムに基づいています。アンチバイオグラムとは、地域や病院で収集した細菌の薬剤感受性試験データを集計し、菌種ごとの感受性や耐性の割合を示すものです。このエビデンスデータを元に、医療従事者が適正な抗菌薬を選定する手助けをします。
薬剤耐性問題への貢献
カーブジェンは、デジタル技術とバイオロジーを融合した革新的なアプローチで、世界的な課題である薬剤耐性問題に取り組んでいます。近年、抗菌薬に対する耐性を持つ細菌が増加し、2050年には薬剤耐性に起因する死亡者数が1,000万人に達すると予測されています。カーブジェンの取り組みは、これらの深刻な問題の解決に向けた重要な一歩となるでしょう。
会社概要
カーブジェン株式会社は、東京都品川区上大崎に位置しており、CEOは中島正和氏です。企業は、国内外のアカデミアや企業との連携を強化し、オープンイノベーションを通じて、薬剤耐性問題への貢献を目指しています。公式ウェブサイトは
こちらです。
新たに上市予定のBiTTEは、医療現場における感染症対策の新しいパートナーとなることでしょう。2023年のリリースに向けて、カーブジェンの製品開発が進められていることに要注目です。