はじめに
東京都が開催する「第2回 伝わる広報大賞」で、株式会社スコープの企画「名もなき家事」がグランプリに輝きました。この取り組みは、日常生活に欠かせないが名前が付けられていない家事を世の中に広めることを目的としています。昨今、家事の分担や意識が重要視されている中で、今回の受賞は大きな評価を受けました。
名もなき家事とは
「名もなき家事」とは、「シャンプーの詰め替え」や「トイレットペーパーの補充」など、具体的な名前は無いものの、生活を支える重要な家事のことを指します。この概念は2016年に大和ハウス工業株式会社の多田綾子氏によって提案され、以来多くの人々に浸透しています。特に、これらの家事は多くの人が見過ごしがちですが、その重要性を再認識させることが目的です。
受賞の背景
今回の「名もなき家事」企画は、東京都庁の生活文化スポーツ局主導で実施されました。都民からの声やアイデアを募集し、その中から入選作品を基にした広報物を作成。特に、男性を対象とした広報という点に着目し、人気格闘漫画「範馬刃牙」とコラボレーションして親子の対話形式の動画を制作。この動画は公開後、わずか1ヶ月で55万回の視聴を記録するなど大きな反響を呼びました。
募集への参加状況
2024年には「名もなき家事」に関するエピソードやキャッチフレーズ、ネーミング案を対象にした「声・アイデア大募集」が実施され、2,027件の応募がありました。選考は4名の審査員によって行われ、「キャッチフレーズ部門」と「ネーミング部門」の入選作品も用意されました。これによって、さらなる啓発活動に繋がっていくことでしょう。
プロジェクトの意義
このプロジェクトは、単なる家事の認知を超え、生活を共にする家族にとっての意識改革を促すものです。忙しい現代社会において、家事はしばしば軽視されがちですが、お互いのコミュニケーションのきっかけになり得るものです。「名もなき家事」を通じて家族全体の意識が変わることを期待されており、今後も注目が集まることでしょう。
審査のプロセス
「伝わる広報大賞」は東京都政策企画局戦略広報部が主導し、優秀な広報事例を共有し合うことを目的にしています。審査委員には、日本パブリックリレーションズ協会事務局長の青田浩治氏や、月刊「広報会議」編集長の浦野有代氏らが名を連ねています。これにより、多角的な視点からの評価が行われている点も特筆すべきです。
終わりに
「名もなき家事」が受賞したことで、多くの人々がこの概念に触れる機会が増えることが期待されます。今後、家事の意識改革が進み、より良い家庭環境の構築につながることを心から願っています。また、スコープのさらなる活躍にも注目したいところです。