日本初の特殊ショベルカーがもたらすトレイルビルディング革命

日本の大自然を楽しむためのマウンテンバイク（MTB）や登山道の整備は、これまでも大切な活動として続けられてきました。しかし、従来の手法に依存していたため、施工効率やコスト面では課題が多く存在しました。そんな中、日本初となるトレイルビルディング専用の特殊ショベルカーが導入され、これまでの方法を根本的に見直す大きな転機が訪れました。

伝統的な整備方法の限界

長年にわたり、MTBコースや登山道の整備作業では、ツルハシやスコップといった手動工具が必要とされ、バックホウと呼ばれるショベルカーは使用可能なエリアに限られていました。そのため、多くの現場では二台のバックホウを同時に使用して作業を行う必要があり、そのコストも無視できませんでした。効率的に作業を進めることが困難だったため、手作業による細やかな仕上げも不可欠で、その結果、工期の延びや予算の圧迫に繋がっていたのです。

新型ショベルカーの導入

このたび、日本初となる特殊ショベルカー「Takeuchi TB225」と、「Martin」の油圧チルトクイックヒッチを搭載した特注仕様が導入されました。竹内製作所が提供したこの機体は、2.4トンの重さを誇り、山間部での安定した作業を可能にします。特筆すべきは、その可変キャタピラ幅です。これにより、木の隙間をすり抜けるように移動できるため、狭い場所でもスムーズに作業が進められます。

また、ガラスで囲まれたキャビンは快適さを重視しており、シートヒーターを搭載しているので厳冬期の早朝でも安心して作業が可能です。さらに、Bluetooth音響システムが備わっており、スマホと連携させることで業務を効率化できます。

精密なコース整備の実現

新型ショベルカーの最大の特長は、パワーチルト機構を持っていることです。これにより、バケットを縦だけでなく、左右にも動かすことができ、曲線を描くMTBコースの造成を精密に行うことが可能となりました。手作業による人件費を大幅に削減し、工期を短縮することができるのです。このような高効率な作業が可能になると、より多くのアウトドアアクティビティが安全に提供されるようになります。

地方創生に向けたアクション

当法人では、この新技術を活用してMTBフィールドや登山道の整備を進めていくことで、旅行者や地域の人々が自然を楽しむ機会を創出し、地方創生にも寄与していきたいと考えています。この取り組みは、日本各地の自然や文化を守るだけでなく、次世代にもその魅力を残していくことを目指しています。

地方創生のためには、業界全体が協力し、理解を深めることが求められています。当法人では今後も政策提言活動を推進し、この新たな技術を使って多くの人々にMTBの魅力を届ける活動を続けていきます。