北海道白糠町が生んだ新たなブランド「極寒ぶり™︎」鮮度保持技術で未来の漁業を切り拓く

北海道白糠町が生み出す新たな魚ブランド「極寒ぶり™︎」

北海道の白糠町は、豊かな自然と伝統的な漁業が息づく場所です。最近、その町で誕生した新たな魚ブランド「極寒ぶり™︎」が、注目を集めています。このプロジェクトは、官民連携で進められており、ブリの鮮度維持と高付加価値を目指す取り組みが含まれています。

漁業の変化と「極寒ぶり™︎」の誕生

白糠町では、秋になると当地の海で捕れる秋サケが名物ですが、最近ではサケの水揚げ量が減少傾向にあります。その一方で、ブリの水揚げは増加しており、この新たな資源に光を当てる動きが始まっています。地元の漁業関係者は、白糠漁港で水揚げされた7kg以上のブリを「極寒ぶり™︎」としてブランド化する決意を固めました。それに伴い、加工工場も設立され、ふるさと納税の返礼品としてブリしゃぶや漬けが販売されています。

画期的な鮮度保持技術

「極寒ぶり™︎」の最大の特徴は、鮮度保持技術にあります。新たに導入された「鮮度保持水槽施設」では、独自の低塩濃度水を使用し、ブリのストレスを減少させるための技術が施されています。この施設は、海水よりも塩分が低い水でブリを数日間飼育することで、より鮮度を保つことが可能になっています。さらに、断食飼育により胃腸を空の状態に保つことで、鮮度を長持ちさせています。この新しい方法により、飲食店や消費者が新鮮なブリを楽しむことができるようになります。

ブランド価値の向上に向けた新たな挑戦

イミュー社の黒田社長は、新施設で処理されたブリを「極寒ぶり™︎選熟」とし、更なるマーケット開拓を目指しています。今年度は最大2トンの処理を見込み、国内だけでなく海外にも販路を広げる計画です。この技術の実用化が進むことで、ブリの高鮮度を維持し消費者に届けられるようになります。

魚の市場を激変させる可能性

白糠町のブリ、かつては1kgあたり300円程度で取引されていましたが、「極寒ぶり™︎」としてのブランド化により現在は1kgあたり1200円に引き上げられています。「極寒ぶり™︎選熟」はさらに高単価の3,000円を目指しています。このように鮮度が維持されることで、高級食材としての価値が生まれ、消費者の選択肢も広がります。