2025卒採用の現状と展望
現在、株式会社キャリタスが実施した調査を基に、2025年卒業予定者に向けた採用活動の現状と動向について紹介します。この調査は、全国の主要企業を対象に行われ、1,063社から回答が集まりました。
学生の応募状況の変化
調査によると、2024年卒業予定者の採用活動に比べ、エントリーや応募者数が減少していることが明らかになっています。具体的には、過半数の企業が「前年よりも応募者が減った」と回答しており、特に競争が厳しい状況が浮き彫りとなっています。
採用活動の開始時期について
最近では、採用広報を解禁する前に面接を開始する企業が多くなっています。また、内定の出し方も前倒しとなっており、大手企業ではその傾向が顕著です。このような対応は、競争が激化している背景に起因しています。
学生のニーズの変化
企業は、接点をもった学生について「待遇や働き方に関してこだわりを持つ学生が増えた」と感じている割合が74.6%に達しています。ここからも、学生が求める条件が大きく変化している様子が伺えます。
内定者充足率と全体状況
全体の21.1%が選考を終了している中、内定者充足率は54.0%に過ぎません。また、選考を継続している企業の約60%が「充足が難しい」と感じていることから、内定者の獲得が厳しい状況であることがわかります。
内定者に対する満足度
意外にも、質と量の両方に満足している企業はわずか18.7%にとどまり、特に「量」に対する不満が顕著です。内定者の質に関する満足度は高いものの、人数的な面での問題を抱えている企業が多いようです。
内定辞退の傾向
内定を辞退する学生の数は増加しており、26.2%の企業が辞退者が増えたと報告しています。そのため企業側では、内定承諾を促すために「社員との交流」や「人事面談」といった取り組みを積極的に行っているようです。
新卒採用市場の動向
調査結果によると、「完全に売り手市場」と感じている企業が77.2%に達しています。今後も採用意欲は高まり続けると予想されています。特に、2025年卒以上の新卒採用計画を持っている企業は7割を超え、採用にかける予算も増加傾向にあります。
インターンシップの実施状況
2025年卒業予定者向けのインターンシップの実施予定については、76.8%の企業が実施する意向を示し、特に夏季のプログラムが増加する見通しです。これは秋の選考に向けた学生確保のための重要な施策となるでしょう。
人事担当者の声
この調査では、人事担当者による川柳も紹介されました。「驚いた 本当だった 第一志望」「就活生 たまには電話に 出てくれよ」といった作品が掲載され、思わず笑顔になるような声が集まりました。
まとめ
今後、2025年卒業予定者の採用活動がどのように進展していくのか、企業からのさらなる対応が求められます。学生のニーズの変化を敏感に捉え、柔軟な採用戦略を展開することが、今後の成功の鍵となるでしょう。