木造で耐震・耐火を実現した新型シェルター「グラセーフ」の全貌

日本はいくつもの地震に見舞われており、特に南海トラフや首都圏直下型地震のリスクが高まっている中で、より効果的な防災対策が求められています。そんな中、株式会社アサノ不燃が開発した木造の耐震・耐火シェルター「グラセーフ」は、私たちに新たな選択肢を提供します。その背景と技術、特徴について詳しく解説します。

「グラセーフ」の背景

「グラセーフ」という名称は、日本の伝統的な防災の知恵である堅牢な「蔵」と「Safe（安全な）」を組み合わせたものです。これにより、命や財産を守るためのシェルターを提供するという、同社の強い使命感が込められています。木材の不燃化技術の専門企業として、自社の技術を駆使して「グラセーフ」の開発に至りました。

優れた耐震性

「グラセーフ」は、国立研究開発法人土木研究所の三次元大型振動台で実施された試験において、実際の地震波を再現した振動実験を行いました。その結果、シェルターの構造が地震の影響を受けにくいことが確認され、亀裂や損傷も見られませんでした。この耐震性は、地震時における安全性を約束します。

耐火性能とセルフネン技術

さらに、「グラセーフ」はISO基準に基づく1時間の耐火試験を通過しました。外部温度が1,000℃に達しても、シェルター内の温度上昇は最大で4℃にとどまります。この防火性能は、家庭内の大切な人々を炎から守ります。また、独自のセルフネン技術も見逃せません。セルフネンとは、木材をホウ酸などで処理し、延焼を防ぎつつ有害ガスを抑制する新技術です。