岡山大学の医療研修会
2025-12-21 01:04:19

岡山大学が開催した第87回医学系技術課の研修会で新たな医療知識を共有

2025年11月21日、国立大学法人岡山大学にて「第87回医学系技術課 鹿田研修会」が開催されました。今回の研修会は、岡山大学鹿田キャンパスの動物資源部門鹿田施設で実施され、対面とオンラインのハイブリッド形式で行われました。

この研修会は、医学系技術課に所属する技術職員が基礎研究から臨床支援まで幅広い知識を学ぶことで、より良い研究支援力を目指すことを目的としています。今回で87回目を迎えるこのイベントでは、特にがんゲノム医療に焦点を当てた内容が取り上げられました。

講演は、岡山大学学術研究院医歯薬学域から周産期医療学講座の長尾昌二教授が担当しました。彼は、特に卵巣がんや子宮体がんの現状について話し、そのなかで遺伝子検査が治療方針の設定においてどれほど重要であるかを解説しました。特に、BRCA遺伝子変異に関連する卵巣がんに対して使用されるPARP阻害薬や、子宮体がんにおけるゲノム分類を基にした免疫チェックポイント阻害薬の具体例が示され、最新の医療技術について学ぶ貴重な機会となりました。

さらに、特筆すべきトピックとしてHBOC症候群に対するリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)が挙げられました。長尾教授はRRSOを実施することによって発症率を大きく低下させ、またがんによる死亡率も下げることができるというデータを提示し、予防的介入の効果が示されました。

講演後には質疑応答が行われ、技術職員たちからは活発な質問が寄せられました。これにより、最前線の婦人科がん診療に対する理解が深まる有意義な議論が交わされました。

佐藤法仁副理事・副学長は、研修会の意義について「最新の医療技術を学ぶことは非常に重要であり、特に競争的資金や技術研究に関わる職員にとって有益な機会である」と述べ、今後の技術職員のスキル向上に期待を寄せました。

岡山大学総合技術部は、地域中核・特色ある研究大学として、技術職員間の連携を強化し、地域社会とともに発展していくことを目指しています。また、2022年度より東京科学大学との連携のもと、高度技術職員養成プログラム「TCカレッジ」に参加し、新たな専門人材の育成に取り組んでいます。

岡山大学は、地域と地球の未来を共創し、社会変革を実現するため、さらなる挑戦を続けています。今後も多様な研修プログラムを通じて、技術職員のスキル向上を図り、医療分野における新たな知識を提供し続けることでしょう。


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