新たなものづくり人材育成の取り組み
株式会社ミスミグループ本社が提供する機械部品調達のAIプラットフォーム「meviy(メビー)」は、製造業の未来を見据えた教育支援プログラム「meviy for education」を開始しました。このプログラムの目的は、技術者の人手不足が深刻化する中で、未来を担う学生たちのものづくりへの挑戦を支えることです。
「meviy for education」の背景と目的
日本のGDPの約2割を占める製造業は、近年深刻な人手不足に直面しています。特に若年層の技術者数は過去20年で129万人も減少しており、学び手の減少や教育人材の不足が指摘されています。「meviy」は企業だけでなく、大学や高等専門学校でも幅広く利用されていますが、この状況を受けて、ミスミは「meviy for education」を創設しました。このプログラムでは、学生団体に対し、meviyによる部品購入に使える90%OFFのクーポンを提供。対象となるのは、大学・短期大学・専門学校などの学生団体で、年間最大10万円分のクーポンが支給されます。
2023年度の支援活動
2023年度には27団体がこのプログラムの恩恵を受けました。参加団体の中には、火星探査ローバーや液体推進剤ロケットを開発しているチーム、さらには海洋プラスチックごみの再生方法を研究している高専の学生たちが含まれています。また、「NHK学生ロボコン2024」で準優勝を果たした団体もおり、彼らの熱意や創造力が存分に発揮されています。これらの支援活動は、学生たちが自ら手を動かし、学ぶ経験を提供する貴重な機会となっています。
参加者の声
実際に「meviy」を活用した学生たちの声も紹介しましょう。東京大学のRoboTechチームは、NHK学生ロボコンに出場する際、部品の調達を効率化するために「meviy」を使用しました。彼らは、部品の調達がスムーズに進んだことで、ロボット制作に集中できたと語っています。特に、自分たちでは加工が難しい材料を適切に選んで利用できたことが大きな成果でした。
静岡大学の「Shizuoka University Motors」も、学生フォーミュラの車両製作においてmeviyを利用しました。彼らは複雑な形状の部品を短時間で効率的に加工できたことで、設計の自由度が広がったと実感しています。これらの学生の体験談は、meviyが実際のものづくりにおいてどのように役立っているかを物語っています。
未来への展望
ミスミの担当者、小庭豪太氏は「meviyが提供するAI技術を通じて、学生たちが設計から製造に至るまでのスキルを高め、進化させることができる」と述べています。教育機関での指導者不足という製造業の課題に立ち向かいながら、将来のものづくり人材育成に貢献することがこのプログラムの大きな目標です。
まとめ
「meviy」のAIプラットフォームは、学生たちにとって製造業の現実を学んだり、実践したりする最適な環境を提供しています。未来のものづくり人材を育成する「meviy for education」を通じて、次世代の技術者たちがどのような挑戦をしていくのか、その成長が期待されます。今後も「meviy」の活動がより多くの学生たちに新しい道を切り拓くことを願っています。