正社員初年度年収と求人件数の最新動向
株式会社マイナビが運営する転職情報サイト『マイナビ転職』が7月から9月にかけての正社員の初年度年収や求人件数についての報告を行いました。このレポートでは、調査結果に基づく近年の動向を詳しく解説します。
初年度年収は過去最高の469.5万円
2024年7-9月の全国平均初年度年収は469.5万円となりました。これは、前年同期間と比較して14.0万円の増加を示し、過去5年間で最大の上昇幅です。特に、未経験者の求人では435.7万円、経験者では534.7万円という結果が出ています。
レポートによれば、この上昇は、企業が人材を確保するために競争が激化していることを反映していると考えられます。また、実際に求人件数も2019年の平均を170.6%上回り、活発な求職活動が行われている状況です。
業界別に見る初年度年収の動向
業種別に見ると、特に目立つのが「不動産・建設・設備」業界で、求人件数が前年同期比129.6%増加し、平均初年度年収も502.5万円と過去最高を記録しました。この業界は2024年問題に直面しており、人材確保に向けて積極的な採用活動が行われています。
さらに、金融・保険業界が547.5万円、IT・通信・インターネット業界が544.3万円と、依然として高収入を提供していることも確認されています。
地域別の初年度年収上昇幅
地域別に見ると、未経験者の求人数が最も多いのは「北海道」で、前年同時期から15.1万円の上昇を見せています。これは、2025年に最先端の半導体研究施設が稼働する予定であり、地域経済への影響を示唆しています。同様に、近畿地方や九州・沖縄においても、未経験者求人の上昇幅が大きく、企業は新たな人材を求めていることが伺えます。
今後の展望
調査担当者は、2024年秋以降に行われる最低賃金引き上げの影響が正社員の給与条件全体に影響を及ぼす可能性があるとしています。さらに「2024年問題」や「2025年問題」が求人市場にどのように影響するのか、注視が必要です。
これからの転職活動においては、これらのデータを参考にすることで、より良い条件での職場環境を見つける手助けになることでしょう。『マイナビ転職』の調査結果は、今後も注目していきたい情報です。