劇団の収益を支える【演劇パス】の手数料無料化とその影響

演劇ファンにとって朗報が舞い込みました。株式会社ネクステージが運営する演劇向け電子チケットサービス「演劇パス」が、12月1日より手数料を無料化する運びとなりました。この変更は、小劇場の演劇を愛する観客にとっても、劇団にとっても大きな意味を持ちます。

現在のチケット購入環境

現在の小劇場の演劇では、来場者はメールや専用フォームを通じて予約し、当日に現金でチケット代を精算する「当日精算」が主流となっています。しかし、この方法にはいくつかのリスクがあります。例えば、当日キャンセルや架空予約が入った場合、空席ができるだけでなく、劇団にとっては入るはずの収入が得られなくなるのです。

そのため、多くの劇団は安定した観客数を確保することが難しくなっています。事前決済のサービスも存在しますが、販売手数料や発券手数料がかかるため、一般の利用者には敬遠されがちでした。

演劇パスの誕生背景

「演劇パス」は、2014年にスタートした演劇向け電子チケットレスサービスです。このアプリを利用すれば、観客はクレジットカードでチケットを購入し、即座にアプリ内でチケットが発券されます。つまり、観客は現金を持って行かずとも、アプリを見せるだけでスムーズに入場できるのです。

手数料無料化のメリット

今回の手数料無料化によって、観客は気軽にチケットを購入できるようになり、劇団にとっても安定した収益を確保できるチャンスが生まれます。特に、条件として示された「1ヶ月のチケット発行数が1000枚まで」という制限内では、劇団に追加の負担がかからないため、より多くのチケットを販売できる可能性が高まります。

さらに、プレゼントチケット（無料招待券）の発行も観客の利用促進につながるでしょう。これにより、観客の定期的な来場を促す戦略としても期待が寄せられています。