NTTドコモとNTT Comが新たな3D映像技術を開発
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)とNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)が、「マルチプラットフォームクラウドレンダリング」と名付けられた新技術の実証実験に成功しました。この技術は、クラウド上で処理された高精度な3D映像をタブレットやスマートフォンなどのモバイル端末にリアルタイムで配信可能にするものです。
本技術の特徴とは?
この新たな技術は、通常は高性能なパソコンでなければ扱えなかった高精細3D映像処理を、エッジコンピューティング環境を利用することで多くの非専門的なデバイスでも扱えるようにします。エッジコンピューティングとは、データ処理をデータが発生した場所に近いところで行う手法であり、モバイルネットワークの利便性を最大限に活かすことができます。
実証実験の内容
実証実験では、「docomo MEC(R)」と呼ばれる高性能エッジコンピューティング環境を使用し、リアルタイムで3D映像を配信する際の映像品質や応答性能を評価しました。5G通信や無線LAN、および有線LAN接続を介して、様々な条件下での3D映像の操作性が確認されました。実験の結果、エッジコンピューティング環境であっても作業を快適に行える品質が維持され、応答性能も優れていたことが判明しました。
将来への期待
ドコモとNTT Comは、この技術を2025年度中に商用化を予定しており、さらに多様な産業分野での活用が見込まれています。例えば、製造プロセスのトレーニングや品質管理において、より没入感のある疑似体験を提供することが可能になります。また、デジタルツインやメタバースなどの新たなビジネス領域での活用も期待されています。これにより、企業は高いセキュリティを保ちながら、低遅延な通信環境を整えることができ、より効率的な業務遂行が可能となります。
今後の展望
ドコモおよびNTT Comは、この新技術の成果について、2024年8月27日にシンガポールで開催される「AR/VR展示会Augmented World Expo Asia」にて講演を行う予定です。これにより、業界各社への技術の普及と、さらなるデジタルトランスフォーメーションの加速が期待されます。
このように、NTTドコモとNTT Comの新技術は、私たちの日常生活やビジネス環境に大きな変化をもたらす可能性を秘めています。3D映像を日常的に使った新しい体験が実現する日も近いかもしれません。