琴平バスと共創DAOの挑戦
琴平町は12月25日までの「琴平山博覧会」において、琴平バス株式会社と共創DAO合同会社が手を組んで、新しい持続可能な地域価値創出のプロジェクトをスタートしました。このプロジェクトは、CardanoのProject Catalystからの助成を受けており、地域の“まちの余りもの”を活用した社会実証を行います。この実証実験では、地域資源を有効活用し、参加者には新たな価値を生み出す機会が提供されます。
持続可能な関係人口の創出へ
コロナ禍以降、多くの地域が直面している課題の一つが人口減少です。琴平町でも、訪れたくなる魅力的な町づくりを目指し、多くの取り組みを行っていますが、来訪者と持続的な関係を築くことは容易ではありませんでした。これに対して共創DAOが取り組んだのが、2025年に実施した「NEO四国88祭」です。このイベントでは、web3.0アプリを利用し、参加者の行動を促すことで、新たな関係人口を生み出す手応えを感じることができました。
これに続く現在のプロジェクトでは、参加者の地域への貢献を記録し、社会的な資産として還元する仕組みが導入されます。“まちの余りもの”を使って、地域を訪れる人々がその価値を享受できるようにすることが目指されています。
「琴平山博覧会」の開催
この取り組みは、「琴平山博覧会」の期間中に行われます。このアート祭では、台湾のアーティストと地元の職人や学生が共に作品を展示するなど、町全体を舞台とした体験型のイベントが予定されています。来訪者は、観光客から「町の一員」へと変わることが期待されています。
地域資源の活用と新たな選択肢
本プロジェクトでは、普段利用されていない地域資源(例えば、バスの空席やホステルの空室)を有効に活用します。参加者は、自身の貢献に応じてポイントを得ることができ、そのポイントを地域資源の利用に充てることができます。これにより、地域に存在するが有効に使われていない資源が、新たな価値を生むことが可能となります。
直感的な参加体験
参加者にとってアクセスしやすい設計が心掛けられています。地域の人々が普段利用しているLINEを通じて、参加できる仕組みやアプリが連携されており、皆が楽しみながら貢献できるようなゲーム感覚の体験が提供されます。
信頼性とデータ蓄積
また、参加者の貢献活動はCardanoブロックチェーンに記録され、改ざん不可能なデジタル証明書として資産化されます。これにより、個々の貢献が証明され、地域に対する信頼を構築することができるのです。これは、参加者のモチベーションを引き出し、地域が真の協力者を見つけるための重要なデータとなります。
全国への展開への道
この取り組みは、単独では終わらせず、地域の課題解決のための「web3.0型 関係人口創出パッケージ」として標準化し、全国の類似地域へ展開することが目指されています。この試みは、日本の地方創生を加速させる可能性を秘めています。
関係者の声
共創DAOの共同創設者本嶋孔太郎氏は、「今回の琴平バスとの協力は地域共創モデルの新たな挑戦です」と述べ、技術を通じて地域の貢献を可視化し、新しい関係性を築くことの重要性を強調しました。
琴平バスの代表取締役、楠木泰二朗氏は、「新しい仕組みを通じて、地域情報を発信しつつ、地域への関心を高める仕組みを整えていく」と述べ、地域協力の未来に期待を寄せています。
このように、琴平町におけるディスラプションが、新たな地域共生の未来を創造する一歩となることが期待されています。