新たなる職場の未来を探る
2025年11月、国立大学法人東北大学とdentsu Japanが共同で「ダイバーシティワークモデル共創研究所」を設立することが発表されました。この研究所では、特にニューロダイバージェント人材に焦点を当て、彼らが果たすべき役割と能力を引き出すための新しい働き方を模索します。研究所の設置場所は、東北大学の川内キャンパスです。
ニューロダイバージェントとの関わり
「ニューロダイバージェント」という用語は、ADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)など、脳に関連した特性を持つ人々を指します。近年、このような特性に対する理解が深まっており、「欠如」としてではなく「多様性」として捉える考え方が注目されています。この理念に基づき、企業と社会がどのように協力してニーズに応えていくかが課題となっています。
労働環境の変化
従来の9時から17時の勤務形態や出社必須のルールが、すべての人にとって働きやすいわけではありません。特にニューロダイバージェントの特性を持つ人々にとって、これらは障壁となりうる場合が多いです。しかし、このような多様な特性を持つ人々がスキルを最大限に発揮できるようにするためには、柔軟な働き方が必要です。「Neuro-Workdesign」という新しい職場モデルの確立が、その解決策になると研究所では考えています。
具体的な活動内容
本研究所の活動内容は多岐にわたります。具体的には、以下の4つのポイントがあります。
1. ニューロダイバージェントの特性に応じた柔軟な働き方を可能にするプラットフォームの開発
2. 労働環境から生じるニューロダイバージェントの特性による働きにくさを解消するための組織開発モデルの策定
3. 開発したプラットフォームをdentsu Japan内に導入し、実証を行う
4. 宮城県仙台市を拠点に、ニューロダイバージェント人材の活躍とAI/DX関連ビジネスの成長を促進する基盤を築く
これらの活動により、特にIT技術が進化する現代において、ニューロダイバージェント人材の活躍の場を取り戻すことが目指されます。
組織体制と運営
本研究所の運営は、株式会社電通総研から特任教授である尾下充利氏が総括責任者を務め、東北大学の教育学研究科から小嶋秀樹教授が運営支援責任者として参加します。両者が連携しながら、社会全体におけるダイバーシティを促進していくことを目的としています。
期待される効果と将来展望
ニューロダイバージェント人材が自らの特性を最大限生かし、活躍できる社会を実現するためには、まずは企業内部での理解と変革が必要です。その結果として、従来の枠に捉われない人材の活躍が進み、より包括的な社会の実現に繋がります。研究所の進展を通じて、次世代の働き方がどのように変化していくのか非常に興味深いところです。
今後も、dentsu Japanと東北大学の共同研究がどのように展開していくのか、目が離せません。