キヤノンビズアテンダが徳島県海陽町でライドシェア実証運行へ
2026年1月5日、キヤノンマーケティングジャパングループのキヤノンビズアテンダ株式会社(以下、キヤノンBA)が、徳島県海陽町の宍喰地区で公共ライドシェアサービスの実証運行を開始します。
この取り組みは、高齢化や公共交通機関の縮小などの地域課題に対処することを目指しています。具体的には、利用者が乗降地点を自由に指定できる柔軟な移動手段を提供し、住民の移動利便性を向上させることを目指すものです。
地域の交通課題
近年、人口の減少に伴い、公共交通網が縮小している地域が増えてきました。徳島県海陽町もこの影響を受けており、駅やバス停までの距離が遠く、日常の移動が困難になる「交通空白」が拡大しています。バスやタクシーが主な公共交通機関ですが、過疎化による利用者の減少が原因で、バスの運行便数が削減され、住民の移動に影響を及ぼしています。そこで、海陽町は「海陽町地域公共交通計画」を策定し、持続的な公共交通ネットワークの構築を目指しています。
ライドシェアサービスの実証運行
この公共ライドシェアサービスは、海陽町の公用車を利用し、利用者が自分の乗車地点から目的地までを自由に設定して移動できます。車両の予約は、地域アプリ「ふるるんアプリ」により24時間対応し、スマートフォン操作が不慣れな高齢者向けに電話予約も可能です。このサービスにより、利用者のニーズに応じた利便性の高い公共交通が実現します。
キヤノンBAは、海陽町において新しい公共交通の設計に向けて、地域住民や高齢者の声を聞くための調査を行い、さらには地域交通に関するワークショップを支援しました。実証運行中は、電話予約はキヤノンBAのコールセンターが担当し、業務の効率化を図ります。これにより、職員の業務負担を軽減し、他業務へのリソース再配分を促進します。
将来の展望
海陽町はこのサービスを宍喰地区のみならず、町全体に展開することを計画しています。さらには、自家用車や一般ドライバーを活用した日本版ライドシェアや、電動車両を利用した自動運転の導入も検討しています。これにより、町民や旅行者の多様な移動ニーズに対応し、新たな公共交通の形成を目指します。
キヤノンBAはイツモスマイルデジタルソリューションズ株式会社と資本業務提携契約を締結し、地域DXの推進や全国の自治体へのサービス展開を視野に入れています。この取り組みを通じて、地域社会全体の持続的な発展に貢献することを目指します。
まとめ
公共ライドシェアサービスの実証運行は、地域住民の移動課題解決に繋がる重要な取り組みです。今後の展開にも期待が寄せられます。
実証運行の概要
- - 期間:2026年1月5日~2026年2月28日
- - 運行日時:月曜日~金曜日(祝日・正月を除く)8時~17時
- - 運行エリア:海陽町宍喰地区(那佐、竹ケ島を除く)
- - 運賃:100~400円(予約時に料金決定)
- - 運行車両:5名乗りコンパクトカー
予約方法
- - アプリ予約:ふるるんアプリによる24時間予約
- - 電話予約:月曜日~金曜日(祝日を除く)8:30~17:00
このサービスが地域にどのような影響を与えるのか、今後の動向に注目です。