AIを活用した道路パトロール実証実験が米子市で始まる
株式会社アーバンエックステクノロジーズ(以下、アーバンエックス)は、米子市および山陰酸素工業と手を組み、2025年5月12日からAIを利用した道路パトロールのデジタル化に向けた実証実験を行います。この新たな試みは、地方自治体の道路インフラ維持管理の効率化を狙いとしています。
実証実験の背景と概要
近年、多くの自治体が直面している問題は、老朽化した道路の維持管理です。人手が不足している上、限られた予算内での対応が求められる中、アーバンエックスは道路管理ソリューション「RoadManager」を活用して、地域の安全を確保するための新しい手法を模索しています。実証実験では、「RoadManager」のAIによる損傷検知機能を活用し、山陰酸素工業の配送車両に搭載したスマートフォンから、走行中に路面の損傷情報を自動で集めることになります。この取り組みによって、より効率的なモニタリング体制の構築が期待されています。
実施内容
実証実験は、2025年5月12日から6月11日まで、鳥取県米子市内全域で行われます。山陰酸素工業の配送車両5台に「RoadManager」アプリをインストールしたスマートフォンを設置し、普段の配送業務において市道や県道、国道を走行しながら、道路損傷に関するデータを収集します。収集されたデータは、「RoadManager」を介して地図上で整理され、種類ごとに管理される仕組みになっています。
検証項目
この実証実験では、主に次の2つの項目について検証が行われます。まずは、AIによる損傷検知の件数とその精度です。次に、配送ルートに基づく市道・県道・国道のカバー率がどのくらいかを確認します。この実験の成果は、将来的なインフラ管理の効率化に大きな影響を与えることでしょう。
アーバンエックスについて
アーバンエックスは、「しなやかな都市インフラ管理を支えるデジタル基盤をつくる」という大きなビジョンを持つ会社です。東京大学発のスタートアップとして、道路点検AI「RoadManager」や市民参加型の投稿サービスなど、さまざまなプロダクトを展開しています。また、すでに40以上の自治体での導入実績があり、今後は民間事業者向けへの展開も視野に入れています。
この実証実験を通じて、アーバンエックスは地域の住民の生活の質向上と安全な道路環境の確保に向けた一歩を踏み出すことが期待されています。新たな時代のインフラ管理がどのように展開されるのか、我々も注目し続けたいところです。