株式会社サトー、革新的RFIDアンテナ製造技術を発表！

東京に本社を構える株式会社サトーが、銅ペーストを活用した新しいRFIDアンテナ製造技術を開発した。この技術は、タッグ型無線電波を通じて情報を送受信するRFID（無線周波数識別）の製造プロセスを根本から変える可能性を秘めている。銅粉を使用することで、従来のアルミや銀に比べて、製造コストの大幅削減と導電性の向上を実現。この取り組みは、2026年の実用化を見込んで進められている。

背景と開発意図

RFIDアンテナは、さまざまな分野での情報管理や追跡に広く使用されている。しかし、従来の製造方法では、資源のロスや製造効率の低下が課題とされていた。特に、アルミを使用する方法では、不要部分が多く発生し、環境への影響が懸念されている。加えて、製造に特別な型版が必要であり、これも効率を落とす要因となっていた。このような状況の中、サトーは独自に研究開発を進めており、ミクロンサイズの銅粉を使った銅ペーストを採用することで、より持続可能な製造方法を模索してきた。

新技術の詳細と利点

発表された技術は、ミクロン銅粉を利用したペーストを用いてRFIDアンテナを印刷するというものだ。この新しい製造プロセスは、特別な焼結工程を経ることで、酸化した銅粒子同士をしっかりと結合。これにより、純金属に近い導電性を持ったアンテナが実現可能になった。さらにこの技術は、多様な基材に対応できることから、さまざまな印刷環境で利用できるという利点も持つ。

特に注目すべきは、環境負荷の低減だけではなく、安定した量産形態を構築できる点だ。製造方式は、従来のRFID技術が厳しいとされるロールからロールの加工方式にも対応しており、高品質を維持しつつ効率的な生産を可能にする。

将来の展望

株式会社サトーは2026年までに本技術の量産を開始し、RFID製品において実用化を図る方針である。さらに、将来的にはスマートラベルやセンサー付きRFIDなど、より高度な機能を持つ製品への展開も視野に入れている。

技術の利点を生かし、他の企業との共創も進め、プリンテッドエレクトロニクス（PE）分野における革新を目指します。これにより、競争力を高めながら持続可能な未来の実現に寄与していくことが期待されている。