令和7年度地方財政審議会が自治体向け資金運用の課題を議論

令和7年度地方財政審議会が自治体向け資金運用の課題を議論



2023年6月27日、総務省にて地方財政審議会が開催され、自治体向けの資金運用に関する重要な議題が取り上げられました。会議では、地方公共団体金融機構(以下、機構)の自治体ファイナンス・アドバイザーによる資金運用に関する出前講座の概要が説明され、議論が交わされました。

現状の課題と自治体間の格差


出席した委員の意見では、自治体によって資金運用に対する温度感が異なることが浮き彫りになりました。特に、都道府県や政令指定都市などの大規模な自治体では、全国型市場公募地方債を発行することにより債券運用に関する専門知識が豊富であり、資金運用の対応能力も高いとされています。

一方、資金調達手段が限られる小規模な自治体では、特定の職員に依存しているケースが目立ち、十分な金融知識を持たない職員が担当することもあり、自治体間での資金運用の対応能力に顕著な差が見られることが議論されました。

資金運用の効率性とは


地方自治法第241条第2項に基づき、自治体は基金を「確実かつ効率的」に運用すべきとされていますが、審議会では「効率的」という表現についての解釈が話し合われました。機構の見解として、安全性と流動性を確保する上で、適正かつ合理的な範囲における運用利益の確保が重要であるとされました。

具体的な失敗例の提供案


議事の中で、地方自治体に対する具体的な資金運用の失敗例を紹介することが有益であるとの意見も出ました。この案に対して、機構は個別の自治体名を公表することなく、一般的な事例として類型化した研修講座を提供することを検討しているとのことです。

また、未利用の自治体向けに、費用負担を必要としないことを明記したパンフレットの配布や、都道府県など関連機関との連携を強化する取り組みが所得されることとなりました。

資金運用に関する相談窓口


次に、自治体職員が資金運用を改善したい場合、一般的にどこに相談をするのかが話題になりました。実務支援業務について地方自治体が認識している場合、機構に相談が入ることがある一方、金融機関からの営業訪問が多く、こちらに相談することが一般的であるとの意見もありました。

自治体資金運用の管理体制


最後に、資金運用の管理体制についても議論されました。自治体の資金運用管理は首長の権限の下、会計管理者による内部けん制機能により実現されています。機構は、公金管理の方針や基準の策定について助言を行っていますが、金融専門人材の不足などの理由で、十分な対応が難しい自治体も存在します。

今後、機構は各地方自治体が直面する課題に対して継続的な助言を行い、大きな支援を実施していくことが求められています。地方自治体の資金運用のスムーズな運営が、地域の発展に繋がることが期待されています。

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