未来のための一歩、宇多津町
香川県宇多津町が、環境価値創出と流通を目指した連携協定を組むこととなった。これは、百十四銀行と株式会社バイウィルとの共同プロジェクトであり、ゼロカーボンシティの実現を見据えた重要な取り組みである。
2025年9月30日、宇多津町役場にて協定締結式が行われた。この式典には、宇多津町町長の谷川俊博氏、百十四銀行の菅弘氏、バイウィルの齋藤雅英氏が出席し、将来への期待と意気込みを語った。
カーボンニュートラルを目指して
宇多津町は、2050年に二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目指し、2021年にはその宣言を行った。そのための戦略として、公共施設のZEB化や照明設備のLED化、また、太陽光発電設備の導入など、多岐にわたる施策を進めている。さらに、地域の企業に対しても「ゼロカーボン企業相談窓口」を設置し、町民への住宅用太陽光発電設置費用の補助などを行い、幅広い層が脱炭素化に取り組む環境を整えている。
百十四銀行とバイウィルは、2023年7月に顧客紹介契約を結び、地域の脱炭素化に向けて協力してきた。その背景には、環境への配慮を深める確固たる意志があった。今回の連携協定は、その流れをさらに強化するものであり、特にJ-クレジットの創出と活用が新たな試みとして浮かび上がっている。
J-クレジットとは
J-クレジットは、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの活用を通じて、脱炭素活動を行う事業者が得られる認証制度である。このクレジットは、他の企業に売却することも可能で、発行されたクレジットはカーボン・オフセットにも活用される。これにより、単にエネルギーを削減するだけでなく、環境価値を新たなビジネスモデルに結びつける試みが進んでいる。
今回の協定締結においては、バイウィルが宇多津町におけるJ-クレジットの創出プロジェクトに対して、登録や申請、モニタリング、そして売買までの一環を支援するという構想が示されている。また、百十四銀行もこのプロセスに参画し、地域の脱炭素化を促進する「地産地消」の観点から協力する予定だ。
未来への展望
この新たな取り組みによって、宇多津町は環境価値の創出や流通をより一層推進することが期待されている。特にJ-クレジットの創出に関しては、LED設備の導入からスタートし、順次異なる手法へと広げる計画がある。これにより、地域全体での脱炭素化を促進し、持続可能な社会を実現するための重要なステップとなるだろう。
3者の概要
宇多津町 - 代表者: 谷川俊博、所在地: 香川県綾歌郡宇多津町1881番地
百十四銀行 - 名称: 株式会社百十四銀行、代表者: 森匡史、所在地: 香川県高松市亀井町
バイウィル - 名称: 株式会社バイウィル、代表者: 下村雄一郎、所在地: 東京都中央区日本橋
このような三者の協力がもたらす新しい価値は、地域にとっても未来にとっても非常に意義深いものである。今後もこの取り組みから、日本全体でのカーボンニュートラル実現に向けた道筋が切り開かれることを期待したい。